財務の志望動機|未経験・第二新卒の例文5パターンと経理との書き分け【2026年版】
財務の志望動機で最もよく見る失敗は、経理の志望動機と中身が同じになってしまうことです。「数字を正確に扱うことが得意」「簿記の資格を活かしたい」と書くと、読み手は「それなら経理でもよいのでは」と考えます。
財務と経理の違いは、見ている時間の向きです。経理は起きた取引を正しく記録し、財務はこれから必要になるお金を見込んで手当てします。志望動機の芯には、先の動きを見て、前もって手を打った経験を置くと、財務を選ぶ理由がはっきりします。
この記事では、志望動機に入れる3つの要素、近い職種との書き分け、そのまま使える例文5パターンを整理します。なお、資金調達や会計に関する記述は一般的な整理であり、個別の判断は所属先の規程や専門家に確認してください。
1. 結論:志望動機に入れる要素は3つだけ
| 要素 | 書く内容 | なぜ効くか |
|---|---|---|
| きっかけ | 先の入出金を見て前もって動いた経験 | 経理との違いが伝わる |
| 土台 | 数字の正確さと簿記などの学習 | 基礎がある人だと分かる |
| 応募先を選ぶ理由 | 事業の計画とお金の関わり | 「どこでもよい」を避けられる |
1番目がこの職種の決め手です。大きな仕事でなくても、支払いが重なる時期に気づいて先に相談した、入金の遅れを早めに共有したといった経験があれば、財務を選ぶ理由として十分に成り立ちます。
2. なぜ「数字が得意」「簿記を活かしたい」では通らないのか
| よくある書き方 | 読み手の反応 |
|---|---|
| 数字を正確に扱うことが得意です | 経理でもよいのでは |
| 簿記の資格を活かしたい | 資格以外の理由が見えない |
| お金の流れに興味があります | どの流れなのか分からない |
| 投資に関心があります | 個人の資産運用と混同していないか |
| 経営に近い仕事がしたい | 経営企画との違いが見えない |
1番目と2番目は、経理の志望動機の定番です。財務を志望するなら、正確さは土台として一言触れるにとどめ、先を見る側の仕事に関心がある理由に字数を使ってください。
書き換えの方向
×「簿記2級の知識を活かし、正確な数字で会社を支えたいと考え、財務職を志望しました」
○「入金の管理を担当していた際、遅れが続く取引先に気づき、月末の支払いへの影響を早めに上長へ伝えて対応が間に合いました。記録するだけでなく先の資金を見込む仕事に関心を持ち、簿記2級の知識を土台に財務を志望しました」
後者には「先を見て動いた出来事」が入っています。素材の探し方は自己PRが書けないとき|第二新卒が素材を掘り出す4つの質問の質問を志望動機にも使ってください。
3. 財務・経理・経営企画・投資家への説明の書き分け
| 職種 | 仕事の中心 | 志望動機の軸 |
|---|---|---|
| 財務 | 資金繰り、借入、資金の管理 | 先のお金を見込んで手当てしたい |
| 経理 | 仕訳と決算 | 起きた取引を正しく残したい |
| 経営企画 | 会社全体の計画と管理 | 会社の方向づけに関わりたい |
| 投資家への説明 | 決算や事業の説明 | 会社の姿を外に伝えたい |
財務の志望動機に「会社の方向づけに関わりたい」と書くと、経営企画の志望に見えます。中小の会社では財務と経理、経営企画を兼ねることもあるので、求人票の仕事内容を確かめてから軸を決めてください。経理側の志望動機は経理の志望動機|未経験・第二新卒の例文5パターンと落ちる書き方で比べられます。
4. 例文5パターン(全文)
例文1:経理から(支払いの重なりに気づいた)
前職では経理として、月次の締めと支払いの手続きを担当していました。大きな金額の支払いが重なる月があり、前の月のうちに上長へ共有して資金の準備を相談したことがありました。締めを正確に終えることに加えて、先のお金の動きを見て手を打つ仕事にやりがいを感じるようになりました。経理で身につけた正確さを土台に、資金の管理を専門にする財務の仕事に移りたいと考えています。貴社が新しい拠点の展開を計画されていると拝見し、その資金の手当てに関わりたいと考え、志望しました。
例文2:入金管理から(遅れに早く気づいた)
前職では営業事務として、売上の入金の確認を担当していました。入金の遅れが続く取引先に気づき、営業担当と連携して確認を進めるとともに、月末の支払いへの影響を早めに上長へ伝えました。その経験から、お金の入りと出の時期のずれが会社にとって大きな問題になることを知りました。先の資金の動きを見込んで、足りなくならないように手当てする財務の仕事に関心を持ち、簿記2級を取得しました。
例文3:金融機関から(融資の場面を見てきた)
前職では信用金庫で、窓口と融資の補助を担当していました。取引先の経営者の方が資金繰りに悩まれる場面に何度も立ち会い、会社にとってお金を前もって手当てすることの大切さを知りました。銀行の側で学んだ審査の視点や、お金の説明の工夫を、今度は事業会社の側で活かしたいと考えています。貴社の財務の担当として、銀行の方と誠実にやり取りし、事業を止めないための資金管理に貢献したいと考え、志望しました。
例文4:会計事務所から(顧問先の資金の悩み)
前職では会計事務所で、複数の顧問先の記帳と決算の補助を担当していました。顧問先から、利益が出ているのに手元のお金が足りないという相談を受けることがあり、入金と支払いの時期のずれを表にまとめて説明したことがありました。記録の先にある資金の管理に関心を持ち、一つの会社の財務に深く関わる仕事に移りたいと考えました。会計事務所で身につけた決算の知識を土台に、貴社の資金管理に関わりたいと考えています。
例文5:店舗の管理から(現金と支払いの管理)
前職では飲食店の店長として、売上の現金の管理と、仕入れ先への支払いの準備を担当していました。季節によって売上と仕入れの時期がずれ、手元の現金が少なくなる月があったため、前もって本部に相談して支払いの時期を調整してもらったことがあります。店舗の規模でもお金の時期のずれが問題になることを知り、会社全体の資金を管理する財務の仕事に関心を持ちました。現在は簿記の学習を進めており、まずは経理と財務の両方に関わりながら基礎を固めたいと考えています。
5つとも、「先を見て動いた」場面が入っています。例文をそのまま使うのではなく、その場面を自分の経験に差し替えてください。数字の書き方は財務の自己PR|第二新卒の例文6パターンと先を見て動いた経験の書き方を参考にしてください。
5. 志望動機の作り方(50分)
| 時間 | やること | 書き出すもの |
|---|---|---|
| 15分 | お金の時期のずれに気づいて動いた経験を探す | 場面を1つ |
| 10分 | 簿記などの学習と、正確さの型を1行にする | 土台の具体 |
| 15分 | 応募先の事業の計画を調べる | お金が必要になりそうな計画を1つ |
| 10分 | 3つをつないで300字にまとめる | きっかけ→土台→応募先 |
3番目は、上場している会社なら公開されている資料で確かめられます。新しい拠点、設備への投資、事業の買収など、お金が必要になる計画が見つかれば、志望動機に一言入れてください。
6. 落ちる書き方5つ
| 型 | なぜ落ちるか | 直し方 |
|---|---|---|
| 経理の志望動機と同じ | 財務を選ぶ理由が見えない | 先を見る経験を芯にする |
| 資格の話だけで終わる | 実務への関心が見えない | 動いた経験を添える |
| 投資への関心を前に出す | 個人の資産運用と混同 | 会社の資金管理として書く |
| 経営への関心だけを書く | 経営企画の志望に見える | 資金の手当てに絞る |
| 応募先の事業に触れない | どこでもよいと見える | 事業の計画に一言触れる |
3番目は、意外に多い失敗です。個人の投資への関心は悪くありませんが、会社の財務は事業を止めないための資金管理が中心です。読み手に誤解されないよう、志望動機の中心からは外してください。
7. 面接で追撃される3問
| 質問 | 狙い | 答えの方向 |
|---|---|---|
| なぜ経理ではなく財務なのか | 職種の理解 | 先のお金を見込む側に関心がある |
| 資金繰り表をどう理解しているか | 基礎知識 | 時期のずれを前もって知る表 |
| 資金が足りなくなりそうなら | 報告の早さ | いつ、いくら、なぜを整理して報告 |
1番目に答えられないと、志望動機全体が崩れます。「見る時間の向きが違う」という一言を必ず用意してください。面接全体の準備は財務の面接|第二新卒が聞かれる想定問答12と経理との違いの答え方にまとめています。
8. 応募先の形による書き分け
| 応募先 | 重く見られること | 志望動機で触れること |
|---|---|---|
| 上場している大きな会社 | 専門性と正確さ | 財務の仕事を深めたい理由 |
| 中小の会社 | 経理との兼任への理解 | 幅広く担いたい意思 |
| 成長中の新しい会社 | 資金調達への関心 | 事業の拡大を資金で支えたい理由 |
| 店舗や拠点の多い会社 | 多くの入出金の管理 | 件数の多いお金の管理の経験 |
中小の会社では、経理と財務を同じ人が担うことがよくあります。「財務だけをやりたい」と読める書き方は避け、経理も含めて幅広く担いながら財務に強くなりたいという形で書いてください。
9. よくある質問
経理の経験がなくても志望動機は書けますか
書けます。入金の確認や支払いの準備、店舗の現金管理など、お金の時期のずれに気づいて動いた経験があれば芯になります。そのうえで簿記の学習を進めていることを添えると、財務を目指す理由と土台の両方が伝わります。
簿記の資格がないと不利ですか
財務の求人では、簿記の知識を前提とするものが多く見られます。資格がない場合は、学習を始めて受験の時期を決めていることを書いてください。資格の有無より、仕訳や決算の流れを理解しようとしている姿勢が見られます。
経理と財務の両方に応募しても大丈夫ですか
問題ありません。ただし志望動機は分けて書いてください。経理には起きた取引を正しく残したい理由を、財務には先のお金を見込んで手当てしたい理由を書くと、それぞれの面接で説得力のある答えになります。
「経営に近い仕事がしたい」と書くのは駄目ですか
書いても構いませんが、それだけでは経営企画の志望に見えます。財務を志望するなら、資金の手当てを通じて経営の判断を支えたい、という形で具体的にすると、職種と噛み合った志望動機になります。
前職の退職理由と志望動機が噛み合いません
退職理由を不満で語ると噛み合わなくなります。前職でお金の流れに関わった場面を起点にし、その仕事をもっと深くやりたいと考えた流れで書くと、退職理由と志望動機が一本の線でつながります。
志望動機は何字くらいが適切ですか
書類では300字前後が目安です。きっかけ、土台、応募先を選ぶ理由の3つを各100字ほどで書くと収まります。面接では同じ内容を1分程度で話せるように、要点を短くまとめておいてください。
上場していない会社の事業の計画はどう調べればよいですか
会社の公式サイトや採用ページ、代表者の発信などから、事業の広がりや今後の方針を読み取ります。正確な計画が分からなくても、店舗の数を増やしている、新しい事業を始めたといった事実に触れれば十分に伝わります。
金融機関から事業会社の財務に移るのは一般的ですか
金融機関での経験を活かして事業会社の財務に移る人はいます。審査の視点やお金の説明の経験は、銀行とのやり取りで役立ちます。志望動機では、銀行の側から事業会社の側に立場を変えたい理由を具体的に書いてください。
10. まとめ:今日やる3つのこと
財務の志望動機で差がつくのは、数字の得意さではなく先を見て動いた経験・簿記などの土台・応募先の事業の計画への一言の3点です。
今日やる3つのこと
① お金の時期のずれに気づいて前もって動いた場面を1つ書き出す
② 簿記などの学習と、正確さを保つ確認の型を1行にする
③ 応募先の事業の計画を調べ、お金が必要になりそうな点に一言触れる
※ 経理の志望動機をそのまま使わない。先のお金を見込む側に関心がある理由を書く
経理との違いを踏まえて書かれた志望動機は、読み手にすぐ分かります。資金調達や会計に関する記述は一般的な整理であり、個別の判断は所属先の規程や専門家に確認してください。
この先、読むべき記事
- 財務の面接|第二新卒が聞かれる想定問答12と経理との違いの答え方(面接の段階)
- 財務の自己PR|第二新卒の例文6パターンと先を見て動いた経験の書き方(自己PRの作り方)
- 経理の志望動機|未経験・第二新卒の例文5パターンと落ちる書き方(近い職種)
- 会計事務所から事業会社の経理へ|第二新卒が繁忙期の経験を実績に変える(会計事務所からの転職)
- 簿記を活かして転職する|第二新卒が2級で届く仕事と届かない仕事(資格の活かし方)
- 自己PRが書けないとき|第二新卒が素材を掘り出す4つの質問(素材の探し方)
- 志望動機の書き方 職種別まとめ|第二新卒が自分の職種の例文を探す(他の職種の志望動機)
この記事を書いた人
木戸 悠介(きど ゆうすけ)/なぜキャリア?運営者。1996年生まれ、神戸市出身。
23歳で上場企業子会社に新卒入社し、メディア広告営業を担当。25歳で第二新卒として障がい福祉領域のSaaS企業へ転職し、営業から営業企画へ職種を変えた。2ヶ月で10社に応募し2社から内定。その後スタートアップに3人目の社員として参画し、現在は自分の会社を経営している。