財務の面接|第二新卒が聞かれる想定問答12と経理との違いの答え方【2026年版】
財務の面接で第二新卒がつまずきやすいのは、「経理と何が違うのか」という質問です。簿記の勉強をしてきた人ほど、経理の志望動機と同じ内容を話してしまいます。
経理が起きたお金の動きを正しく記録する仕事だとすれば、財務はこれから必要になるお金を見込んで、足りなくならないように手当てする仕事です。面接官が確かめたいのは、過去の数字を正確に扱えることに加えて、先の資金の動きを考え、銀行などの外部と誠実にやり取りできるかです。
この記事では、一次・二次・最終で見られている点を分け、想定問答12とそのまま使える答え方を整理します。なお、資金調達や税、会計に関する記述は一般的な整理であり、個別の判断は所属先の規程や、税理士・公認会計士・金融機関などの専門家に確認してください。
1. 結論:面接は3つの軸で採点されている
| 軸 | 見られていること | 答えに入れるもの |
|---|---|---|
| 先を見る力 | 入出金の予定から不足を見込めるか | 前もって準備した経験 |
| 正確さ | 大きな金額を誤りなく扱えるか | 確認の型 |
| 外部との信頼 | 銀行や取引先に誠実に説明できるか | 悪い情報を早く伝えた経験 |
1番目を話せる応募者は少数です。経理の経験者でも、話の中心が「締めを正確に終えた」になりがちです。「来月の支払いが重なると分かったので、先に上長へ相談した」のように、先を見て動いた話ができる人は強く印象に残ります。
2. まず押さえる:財務と経理の違い
| 項目 | 経理 | 財務 |
|---|---|---|
| 見る時間 | 過去(起きた取引) | 未来(これからの入出金) |
| 主な仕事 | 仕訳、月次・年次の決算 | 資金繰り、借入、資金の運用 |
| 外部の相手 | 税理士、監査を行う会計士 | 銀行、投資家 |
| 失敗したときの影響 | 決算の誤り | 支払いができなくなるおそれ |
中小の会社では、経理と財務を同じ人が兼ねることも多くあります。応募先が財務専任なのか、経理と兼任なのかを求人票で確かめてから答えてください。経理側の面接は経理の面接|第二新卒が聞かれる想定問答13と評価される答え方にまとめています。
3. 一次面接(財務・経理の担当者)で聞かれる5問
| # | 質問 | 確かめられていること |
|---|---|---|
| 1 | なぜ経理ではなく財務なのか | 職種の理解 |
| 2 | 大きな金額を扱った経験 | 正確さと緊張感 |
| 3 | 簿記などの学習の状況 | 基礎知識 |
| 4 | 表計算ソフトでどんな表を作れるか | 実務の立ち上がり |
| 5 | 期限のある仕事をどう管理していたか | 先回りの習慣 |
1番目の答え方
「お金に関わる仕事がしたい」だけでは、経理でも同じです。先を見る側に関心があることを示してください。
「前職で売上の入金を管理していた際、入金の遅れが続く取引先があり、月末の支払いに影響しそうだと気づきました。早めに上長へ伝えたことで対応が間に合い、記録するだけでなく、先の動きを見て手を打つ仕事に関心を持ちました。過去を正しく残す経理の仕事も大切ですが、これからのお金を見込む財務の側で貢献したいと考えています」
2番目の答え方
金額の大きさより、扱い方の型を答えます。
「前職では、取引先への支払いの手続きを担当し、1件で数百万円になるものもありました。金額と振込先は、自分で入力した後に必ず別の担当者に確認してもらう二重の確認を徹底していました。急ぎの依頼でも、この手順を省かないことを自分の決まりにしていました」
「急ぎでも手順を省かない」が評価点です。財務の誤りは、取り返しのつかない支払いの誤りにつながるため、手順を守る人かどうかが厳しく見られます。
5番目の答え方
「支払いや入金の予定は、月の初めに一覧にして、期日の近い順に並べていました。大きな金額の支払いが重なる週は、前の週のうちに上長と共有して、資金が足りるかを確かめてもらっていました」
「重なる週を前もって共有する」は、財務の仕事そのものです。小さな規模の話でも、先を見て動いた経験として十分に伝わります。
4. 二次面接(財務課長・経理部長)で聞かれる4問
| # | 質問 | 確かめられていること |
|---|---|---|
| 6 | 資金が足りなくなりそうだと分かったら | 報告の早さ |
| 7 | 銀行の担当者にどう説明するか | 外部との信頼 |
| 8 | 資金繰り表とは何だと理解しているか | 基礎知識 |
| 9 | 数字の誤りに気づいたときの対応 | 誠実さ |
6番目は「すぐ上に伝える」と答える
「自分で何とかします」は避けてください。資金の不足は会社全体の判断が必要な問題です。
「分かった時点で、すぐに上長へ報告します。いつ、いくら足りなくなりそうか、その理由は何かを整理して、報告と同時に出します。入金を早めてもらえないか、支払いの時期を相談できないかなど、考えられる手は添えますが、判断は上長に仰ぎます」
「いつ、いくら、なぜ」を整理して報告すると言えると、財務の基本を理解していると伝わります。
7番目の答え方
「良い情報も悪い情報も、正直に早く伝えます。業績が悪化しそうな場合は、その理由と、会社としてどう立て直すつもりかをあわせて説明します。悪い情報を隠すと、後で分かったときに信頼を大きく失うためです」
銀行との関係は長く続くため、誠実さが最も重く見られます。「良く見せるために説明を工夫する」という方向の答えは避けてください。
8番目に備える
| 項目 | 押さえておく内容 |
|---|---|
| 目的 | 先の入出金を見込み、お金が足りなくなる時期を前もって知る |
| 入るお金 | 売上の入金、借入など |
| 出るお金 | 仕入れや給与、家賃、返済、税金など |
| 見る期間 | 月ごと、週ごと、日ごとなど会社による |
詳しい作り方まで答える必要はありません。「利益が出ていても、入金と支払いの時期がずれるとお金が足りなくなることがあるので、それを前もって知るための表」と自分の言葉で説明できれば十分です。
5. 最終面接(管理部門長・役員)で聞かれる3問
| # | 質問 | 確かめられていること |
|---|---|---|
| 10 | 当社の財務で気になる点はあるか | 準備と関心 |
| 11 | なぜ当社なのか | 会社ごとの違いの理解 |
| 12 | 将来どんな仕事をしていたいか | 定着と成長の見通し |
10番目に備える
上場している会社であれば、公開されている決算の資料に目を通しておいてください。
| 見ておく点 | 答えに使う形 |
|---|---|
| 売上と利益の推移 | 事業が伸びているか |
| 現預金の水準 | 手元の資金に余裕があるか |
| 借入の推移 | 資金の調達の仕方 |
| 事業の計画の資料 | これから何にお金を使うか |
批判ではなく、関心として話してください。「新しい拠点への投資を計画されていると拝見し、資金の手当ての面で関われることに関心を持ちました」のように、事業の計画と財務を結びつけると好印象です。上場していない会社なら、会社の沿革や事業の広がりから、お金の使い方を推測する程度で構いません。
12番目:財務の先の道を知っておく
| 数年後の方向 | 仕事の中身 |
|---|---|
| 財務の専門家 | 資金調達や投資の判断に関わる |
| 経営企画 | 会社全体の計画と管理 |
| 投資家への説明 | 決算や事業の説明を担う |
| 管理部門の責任者 | 経理・財務・総務をまとめる |
どの方向でも構いませんが、まず日々の資金管理を一通り任されるまで続ける意思を示してください。投資家への説明の仕事はIR担当という職種|第二新卒が知る仕事の実際と未経験からの入口にまとめています。
6. 面接前日の準備(70分)
| 時間 | やること | 狙い |
|---|---|---|
| 20分 | 応募先の決算や事業の資料を見る | 10番目に備える |
| 15分 | 先を見て動いた経験を1つ書く | 1番目と5番目に備える |
| 10分 | 二重確認など誤りを防ぐ型を書く | 2番目と9番目に備える |
| 15分 | 資金繰り表を自分の言葉で説明する練習 | 8番目に備える |
| 10分 | 「いつ、いくら、なぜ」で報告する練習 | 6番目に備える |
4番目は声に出して練習してください。頭では分かっていても、言葉にすると説明が長くなりがちです。30秒で説明できる形にしておくと、本番で落ち着いて答えられます。
7. 落ちる回答の型5つ
| 型 | なぜ落ちるか | 直し方 |
|---|---|---|
| 経理の志望動機をそのまま話す | 違いを理解していない | 先を見る仕事として語る |
| 「投資に興味があります」 | 個人の資産運用と混同 | 会社の資金管理として話す |
| 「資金不足は自分で調整します」 | 報告しない危うさ | すぐ上長に伝えると言う |
| 銀行に良く見せる説明をすると言う | 誠実さを疑われる | 悪い情報も早く伝えると言う |
| 応募先の資料を見ていない | 準備不足が明らか | 決算や事業の資料に目を通す |
2番目は、意外に多い失敗です。個人で株などに関心があることは悪くありませんが、会社の財務は、事業を止めないための資金管理が中心です。関心を話すなら、「会社のお金の流れを読む力をつけたい」という形にしてください。
8. 未経験でも使える「財務に近い経験」
| 前職の経験 | 接続するところ | 話し方 |
|---|---|---|
| 経理・会計事務所 | 数字の正確さと決算 | 締めの期限と確認の型 |
| 売掛金・入金の管理 | 入金の予定と遅れ | 遅れに気づいて早く動いた経験 |
| 金融機関の窓口・融資 | お金の説明と審査の視点 | 相手に分かる説明の工夫 |
| 店舗の売上・現金管理 | 現金の過不足の管理 | 差異を出さない手順 |
| 営業事務・受発注 | 支払いや請求の期日 | 期日の一覧での管理 |
| 営業 | 取引先の支払い条件 | 入金の条件をすり合わせた経験 |
意外に強いのが2番目です。入金の遅れに気づいて、取引先に確認し、社内に早く共有した経験は、財務の先回りの考え方そのものです。「入金の遅れを月の半ばで見つけて共有した」は十分な材料になります。簿記の資格の活かし方は簿記を活かして転職する|第二新卒が2級で届く仕事と届かない仕事にまとめています。
聞いておきたい3つ
- 「財務と経理の担当はどのように分かれていますか」——担当範囲が分かる
- 「銀行とのやり取りには、入社後どの段階から関われますか」——育成の形が分かる
- 「資金の管理は、どのくらいの期間を見込んで行っていますか」——仕事の中身が分かる
逆質問の作り方は面接の逆質問|第二新卒がそのまま使える30例と聞いてはいけない質問を参考にしてください。
9. よくある質問
経理の経験がないと財務の面接は難しいですか
財務は経理の知識を土台にする仕事なので、経理の経験者が有利なことは確かです。ただし入金の管理や金融機関での経験など、お金の流れに関わった経験があれば話せる材料になります。簿記の学習を進めていることもあわせて伝えてください。
簿記は何級まで必要ですか
求人によって違いますが、2級程度の知識を求める財務の求人は多く見られます。資格そのものより、仕訳や決算の流れを理解していることが前提として見られます。求める水準は求人票の記載で確かめてください。
第二新卒で財務専任の求人はありますか
財務専任の求人は経理に比べると少なく、経験者の募集が中心になりやすい傾向があります。まず経理として入り、財務の仕事にも関わりながら経験を積む流れも現実的です。経理と兼任の求人もあわせて探してみてください。
数字が苦手でも財務は務まりますか
高度な計算より、大きな金額を誤りなく扱う正確さと、先の入出金を見込む考え方が求められます。数字から逃げずに確認を重ねられる人であれば務まります。表計算ソフトで集計や一覧を作った経験があれば伝えてください。
銀行とのやり取りに不安があります
入社してすぐに一人で対応することは多くありません。上長に同行しながら覚えていく形が一般的です。面接では、外部の相手に悪い情報も含めて正直に早く伝える姿勢を示せれば、不安を感じていても評価は下がりません。
金融機関での経験は評価されますか
評価されます。お金の説明や審査の視点を知っていることは、銀行とのやり取りで役立ちます。融資の担当でなくても、窓口でお金の手続きを正確に扱った経験や、相手に分かる言葉で説明した経験を具体的に話してください。
財務と経営企画のどちらを目指すべきか迷います
会社のお金が足りなくならないように管理し、調達や運用に関わりたいなら財務、会社全体の計画を立てて進み具合を管理したいなら経営企画が近いと言えます。どちらも数字を扱いますが、見る範囲が違います。
前職を短期間で辞めていることは不利になりますか
理由を短く伝え、財務を選んだ理由とつながっていれば大きな不利にはなりにくいです。在籍期間の説明より、お金の流れに関わった経験や、正確さを保つための習慣を具体的に話すことに時間を使ってください。
10. まとめ:前日にやる3つのこと
財務の面接で差がつくのは、知識の量ではなく先を見て動いた経験・大きな金額を扱う確認の型・外部に正直に早く伝える姿勢の3点です。
前日にやる3つのこと
① 支払いや入金の予定を見て、前もって動いた経験を1つ書き出す
② 資金繰り表を「入金と支払いの時期のずれを前もって知る表」と30秒で説明できるようにする
③ 応募先の決算や事業の資料に目を通し、関心を持った点を1つ決める
※ 「資金不足は自分で調整します」とは言わない。いつ、いくら、なぜを整理してすぐ上長に伝える
経理との違いを自分の言葉で話せる応募者は多くありません。資金調達や税、会計に関する記述は一般的な整理であり、個別の判断は所属先の規程や専門家に確認してください。
この先、読むべき記事
- 財務の志望動機|未経験・第二新卒の例文5パターンと経理との書き分け(志望動機の作り方)
- 財務の自己PR|第二新卒の例文6パターンと先を見て動いた経験の書き方(書類の段階)
- 経理の面接|第二新卒が聞かれる想定問答13と評価される答え方(近い職種)
- 簿記を活かして転職する|第二新卒が2級で届く仕事と届かない仕事(資格の活かし方)
- IR担当という職種|第二新卒が知る仕事の実際と未経験からの入口(財務の先の道)
- 面接の逆質問|第二新卒がそのまま使える30例と聞いてはいけない質問(逆質問の準備)
- 面接対策 職種別まとめ|第二新卒が自分の職種の想定問答を探す(他の職種の面接対策)
この記事を書いた人
木戸 悠介(きど ゆうすけ)/なぜキャリア?運営者。1996年生まれ、神戸市出身。
23歳で上場企業子会社に新卒入社し、メディア広告営業を担当。25歳で第二新卒として障がい福祉領域のSaaS企業へ転職し、営業から営業企画へ職種を変えた。2ヶ月で10社に応募し2社から内定。その後スタートアップに3人目の社員として参画し、現在は自分の会社を経営している。