商品企画の面接|第二新卒が聞かれる想定問答12とアイデアより見られること【2026年版】
商品企画の面接で第二新卒が最も力を入れて準備するのは「自分が考えた商品のアイデア」です。もちろん聞かれることはありますが、アイデアの面白さだけで合否が決まることはほとんどありません。
商品企画の仕事は、思いつくことより、誰の、どんな困りごとに応える商品なのかを決め、売れる形にまとめて、社内の人を動かすことです。開発、製造、営業、販促と多くの部署が関わるため、一人のひらめきでは商品になりません。面接官が確かめたいのは、アイデアの根拠を言葉にでき、関係者を巻き込める人かどうかです。
この記事では、一次・二次・最終で見られている点を分け、想定問答12とそのまま使える答え方を整理します。
1. 結論:面接は3つの軸で採点されている
| 軸 | 見られていること | 答えに入れるもの |
|---|---|---|
| 根拠の力 | アイデアの裏に事実や声があるか | お客様の声や売場で見たこと |
| 巻き込む力 | 立場の違う部署を動かせるか | 人を説得して動かした経験 |
| 数字の感覚 | 売れる量と利益を考えられるか | 価格と原価、販売の見込み |
3番目を準備してくる応募者はほとんどいません。商品企画は、売れる量と残る利益まで考えて初めて企画になります。「この価格なら、これくらい売れて、これくらい利益が残る」と考えた跡を見せられる人は、それだけで一段上に見られます。
2. まず押さえる:商品企画・マーケティング・開発の違い
| 職種 | 仕事の中心 | 面接で見られること |
|---|---|---|
| 商品企画 | 何を作るかを決め、形にまとめる | 根拠と巻き込む力 |
| マーケティング | どう売るか、誰に届けるかを決める | 市場と数字の読み |
| 開発・設計 | どう作るかを技術で実現する | 専門の知識と技術 |
| 販促 | 売場や広告で魅力を伝える | 伝え方の工夫 |
会社によって、商品企画とマーケティングが一つの部署になっていることもあります。応募先の求人票で仕事の範囲を確かめてから答えてください。事業会社のマーケティングの面接は事業会社マーケティングの面接|第二新卒が聞かれる想定問答14と評価される答え方にまとめています。
3. 一次面接(商品企画の担当者)で聞かれる5問
| # | 質問 | 確かめられていること |
|---|---|---|
| 1 | なぜ商品企画なのか | 職種の理解 |
| 2 | 当社の商品で好きなものと、その理由 | 商品への関心と観察 |
| 3 | お客様の声から何かを変えた経験 | 根拠の力 |
| 4 | 最近気になった他社の商品 | 市場への関心 |
| 5 | 当社の商品で改善するならどこか | 考え方の筋道 |
1番目の答え方
「ものづくりが好きだから」だけでは足りません。お客様の声から何かを変えた経験を一つ置いてください。
「前職の店舗で、同じ商品について『もう少し小さいサイズはないか』と何度も聞かれていました。声を記録して本部に伝えたところ、小さいサイズが試験的に追加され、よく売れました。お客様の声が商品の形になる面白さを知り、その声を集めて商品を決める側の仕事をしたいと考え、商品企画を志望しました」
2番目の答え方
「好き」の理由を、買う人の目線と作る側の目線の両方で話します。
「御社の保存容器を使っています。重ねてしまったときに場所を取らない点が気に入っています。おそらく、台所の収納が狭い一人暮らしや共働きの家庭を想定して、重ねたときの高さを優先されたのではないかと考えました」
「誰を想定して、何を優先したのか」を推測できると評価が上がります。商品の裏にある判断を読み取れる人は、企画の考え方を持っていると判断されます。
5番目の答え方
| 弱い答え | 強い答え |
|---|---|
| デザインをもっとおしゃれにしたい | 売場で手に取ったとき用途が分かりにくいので、表の面に使い道を書きたい |
| 色の種類を増やしたい | 口コミで多かった「洗いにくい」という声に応えて、角を丸くしたい |
| もっと安くしたい | 量を減らした小さい商品を足して、試しに買える入口を作りたい |
右側の共通点は、改善の理由に事実や声が入っていることです。好みで改善を語ると、根拠のない企画をする人だと受け取られます。
4. 二次面接(商品企画の責任者)で聞かれる4問
| # | 質問 | 確かめられていること |
|---|---|---|
| 6 | 開発の担当者に「作れない」と言われたら | 巻き込む力 |
| 7 | 企画した商品が売れなかったら | 結果への向き合い方 |
| 8 | 新商品のアイデアを一つ話してください | 考え方の筋道 |
| 9 | この商品の価格をどう決めるか | 数字の感覚 |
6番目は「理由を聞いて一緒に探す」と答える
「説得して作ってもらいます」とだけ答えると、関係を壊す人だと受け取られます。
「まず、何が難しいのかを具体的に伺います。費用なのか、技術なのか、期間なのかで、こちらが変えられることが違うためです。お客様にとって一番大事な部分を守れるなら、他の部分は変えても構わないと伝え、一緒に実現できる形を探します」
「一番大事な部分を守れるなら、他は変えてよい」と言えると、企画の芯を持っている人だと伝わります。
7番目の答え方
「まず、どこで売れなかったのかを確かめます。売場で手に取られなかったのか、手に取られても買われなかったのか、一度買われても繰り返し買われなかったのかで、原因が違うためです。原因を整理して次の企画に生かし、関わった部署にも共有します」
「段階に分けて原因を探す」は、どの職種でも評価される答え方です。売れなかった企画を隠さず振り返れる人は、次の企画で成果を出せると判断されます。
8番目に備える
アイデアを聞かれたら、思いつきの面白さより、組み立ての順番で話してください。
| 順番 | 話すこと |
|---|---|
| 1 | 誰の、どんな困りごとか |
| 2 | 今はどう解決されていて、何が不満か |
| 3 | どんな商品で応えるか |
| 4 | いくらで、どこで売るか |
| 5 | 確かめるために最初に何をするか |
5番目まで話せる応募者は少数です。「まず少量で試して反応を見る」と言えると、企画を現実に進められる人だと伝わります。
5. 最終面接(事業責任者・役員)で聞かれる3問
| # | 質問 | 確かめられていること |
|---|---|---|
| 10 | 当社の商品はこれからどうなるべきか | 事業への関心 |
| 11 | 営業や販売から始まっても大丈夫か | 入り方の理解 |
| 12 | 数年後にどうなっていたいか | 定着と成長の見通し |
11番目に備える
商品企画は人気の職種で、未経験の第二新卒がいきなり配属されるとは限りません。
| 入り方 | 特徴 | 面接での受け止め方 |
|---|---|---|
| 営業から | 取引先や売場の声を集める | お客様の声を知る機会として |
| 販売・店舗から | 買う人の様子を間近で見る | 買う理由を知る機会として |
| 企画の補助から | 資料作りや調査を担う | 企画の進め方を学ぶ機会として |
| 企画職として直接 | 経験者や専門知識のある人が多い | 近い経験を具体的に話す |
「企画以外は考えていません」という態度は、評価を大きく下げます。営業や販売で集めたお客様の声は、企画の一番の根拠になります。その道筋を理解していることを伝えてください。メーカーの職種の全体像は機械・産業機械メーカーへ転職する|第二新卒が文系でも入れる職種を知る、食品なら食品業界へ転職|第二新卒が知る職種の全体像と入口の広さにまとめています。
6. 面接前日の準備(70分)
| 時間 | やること | 狙い |
|---|---|---|
| 20分 | 応募先の商品を売場や通販で見て、使ってみる | 2番目と5番目に備える |
| 15分 | お客様の声から何かを変えた経験を書く | 1番目と3番目に備える |
| 15分 | アイデアを「誰の困りごと→今の不満→商品→価格→試し方」で組む | 8番目に備える |
| 10分 | 売れなかったときの原因の分け方を声に出す | 7番目に備える |
| 10分 | 他社の気になる商品を1つ決めて理由を書く | 4番目に備える |
1番目は必ず実物で行ってください。使ってみた人の意見は、公式サイトを読んだだけの意見より具体的で、面接官の記憶に残ります。
7. 落ちる回答の型5つ
| 型 | なぜ落ちるか | 直し方 |
|---|---|---|
| アイデアの面白さだけを話す | 根拠が見えない | 誰の困りごとかから話す |
| 「自分が欲しいものを作りたい」 | 好みで企画する印象 | お客様の声を根拠にする |
| 「開発を説得します」 | 関係を壊す印象 | 理由を聞いて一緒に探すと言う |
| 価格や利益に触れない | 数字の感覚がない | 価格と売れる量に一言触れる |
| 企画以外の配属を嫌がる | 入り方とずれる | 声を集める機会として受け止める |
2番目は、商品への思いが強い人ほど言いがちです。自分が欲しいという気持ちは出発点として悪くありませんが、「自分と同じ困りごとを持つ人がどれくらいいるかを確かめたい」と続けられると、企画として成り立ちます。
8. 未経験でも使える「商品企画に近い経験」
| 前職の経験 | 接続するところ | 話し方 |
|---|---|---|
| 店舗の販売 | お客様の声と売れ方 | 声を本部に伝えて変わった経験 |
| 営業 | 取引先の要望 | 要望をまとめて社内に提案した経験 |
| カスタマーサポート | 不満や要望の集まり | 多い声を分類して改善を提案した経験 |
| 飲食店 | 献立と原価 | 新しい献立を考えて出した経験 |
| 販促 | 見せ方と反応 | 売場の工夫で売れ方が変わった経験 |
| 事務・営業事務 | 社内の調整 | 複数の部署の間に入って進めた経験 |
意外に強いのが4番目です。飲食店で新しい献立を考え、原価と価格を決め、お客様の反応を見て直した経験は、商品企画の流れをひと通り経験しているのと同じです。「原価を見て価格を決め、注文数を見て改良した」は十分な材料になります。販売や仕入れの視点はバイヤー(仕入れ担当)の面接|第二新卒が聞かれる想定問答12と評価される答え方も参考になります。
聞いておきたい3つ
- 「1つの商品が企画から発売までにかかる期間はどのくらいですか」——仕事の流れが分かる
- 「商品企画の方は、お客様の声をどのように集めていますか」——根拠の取り方が分かる
- 「入社後、企画に関わるまでの一般的な流れを伺えますか」——入り方が分かる
逆質問の作り方は面接の逆質問|第二新卒がそのまま使える30例と聞いてはいけない質問を参考にしてください。
9. よくある質問
未経験でも商品企画になれますか
未経験から直接配属される求人は多くありませんが、ないわけではありません。営業や販売から始めて商品企画に移る流れも一般的です。お客様の声から何かを変えた経験を具体的に話せるようにして、入口を広く探してください。
アイデアはいくつ用意すればよいですか
1つか2つで十分です。数より、誰の困りごとに応えるのか、どう確かめるのかまで組み立てて話せることが大切です。多くのアイデアを浅く話すより、1つを深く話すほうが考え方の筋道が伝わります。
文系でも商品企画になれますか
なれます。特に日用品や食品、雑貨などの分野では、技術よりお客様の理解と社内の調整が中心になるため、文系出身の企画担当者も多くいます。技術の分かる製品の場合は、商品の知識を学ぶ姿勢を示してください。
数字が苦手でも大丈夫ですか
商品企画では、価格や原価、売れる量を考える場面が必ずあります。高度な計算は不要ですが、数字から逃げない姿勢は求められます。前職で価格や売上の数字を見て判断した経験があれば、面接で伝えてください。
デザインの知識は必要ですか
必須ではありません。見た目のデザインは専門の担当者が担うことが多く、商品企画には何をどう見せたいかを言葉で伝える力が求められます。デザインの知識があれば話しやすくなりますが、それより根拠を言葉にできるかが見られます。
マーケティングと商品企画のどちらを目指すべきか迷います
何を作るかを決めることに関心があるなら商品企画、どう売るか、誰に届けるかを決めることに関心があるならマーケティングが近いと言えます。会社によっては同じ部署で両方を担うこともあるので、求人票の仕事内容で確かめてください。
面接で他社の商品を褒めてもよいですか
問題ありません。他社の商品を例に、なぜ売れているのかを分析して話せれば、市場への関心と考え方の筋道が伝わります。ただし応募先の商品を下げる話し方は避け、学びとして伝えるようにしてください。
前職を短期間で辞めていることは不利になりますか
理由を短く伝え、商品企画を選んだ理由とつながっていれば大きな不利にはなりにくいです。在籍期間の説明より、お客様の声から何かを変えた経験を具体的に話すことに時間を使うほうが、面接の評価につながります。
10. まとめ:前日にやる3つのこと
商品企画の面接で差がつくのは、アイデアの面白さではなく根拠を言葉にする力・関係者を巻き込む力・価格と売れる量の感覚の3点です。
前日にやる3つのこと
① 応募先の商品を実物で見て使い、「誰を想定して何を優先したか」を推測する
② アイデアを「誰の困りごと→今の不満→商品→価格→試し方」の順で組む
③ お客様の声から何かを変えた経験を1つ書き出す
※ 「自分が欲しいものを作りたい」だけで終わらせない。同じ困りごとを持つ人がいるかを確かめたい、と続ける
試し方まで話せる応募者は多くありません。アイデアを1つ、この順番で話せるだけで、他の応募者と並んだときに違いが出ます。
この先、読むべき記事
- 商品企画の志望動機|未経験・第二新卒の例文5パターンと落ちる書き方(志望動機の作り方)
- 商品企画の自己PR|第二新卒の例文6パターンとお客様の声を形にした経験の書き方(書類の段階)
- 事業会社マーケティングの面接|第二新卒が聞かれる想定問答14と評価される答え方(近い職種)
- バイヤー(仕入れ担当)の面接|第二新卒が聞かれる想定問答12と評価される答え方(売場の視点)
- 食品業界へ転職|第二新卒が知る職種の全体像と入口の広さ(業界の全体像)
- 面接の逆質問|第二新卒がそのまま使える30例と聞いてはいけない質問(逆質問の準備)
- 面接対策 職種別まとめ|第二新卒が自分の職種の想定問答を探す(他の職種の面接対策)
この記事を書いた人
木戸 悠介(きど ゆうすけ)/なぜキャリア?運営者。1996年生まれ、神戸市出身。
23歳で上場企業子会社に新卒入社し、メディア広告営業を担当。25歳で第二新卒として障がい福祉領域のSaaS企業へ転職し、営業から営業企画へ職種を変えた。2ヶ月で10社に応募し2社から内定。その後スタートアップに3人目の社員として参画し、現在は自分の会社を経営している。