飲食店の職務経歴書|第二新卒が書類を通す書き方と見本【2026年版】
飲食店で働いてきた人の職務経歴書で多いのは、「ホール・キッチン業務全般を担当」と1行で済ませる書き方です。飲食店の社員は、接客や調理に加えて、売上や原価の管理、アルバイトの採用と育成、シフトづくりまで、幅広い仕事をしています。それが書かれていないのは、とてももったいないことです。
採用担当が職務経歴書で確かめたいのは、店舗の規模と業態、売上や原価・人件費などの数字にどう関わったか、スタッフをどう育ててきたかの3つです。飲食店の経験は、同じ飲食業への転職でも、異業種への転職でも、管理の経験として強い材料になります。
この記事では、飲食店の職務経歴書の書き方を欄ごとに整理し、見本とあわせて紹介します。
1. 結論:採用担当が見る3つの欄
| 欄 | 書くこと | なぜ見られるか |
|---|---|---|
| 店舗の概要 | 業態、席数、月の売上、スタッフの人数 | 経験の大きさを判断する |
| 数字への関わり | 売上、原価、人件費、客数・客単価の改善 | 店を任せられるか、管理の力があるかを判断する |
| 人の育成 | 採用、指導、シフトづくり、定着の工夫 | 人をまとめる力があるかを判断する |
2つ目と3つ目を書ける応募者は多くありません。多くの人が「接客」「調理」の話だけで終わるからです。数字と人の管理を書くだけで、異業種の採用担当にも「管理の経験がある人」として読まれます。
2. 店舗の概要を短く書く
| 項目 | 書き方の例 |
|---|---|
| 業態 | 駅前の居酒屋チェーン店(全国約50店舗) |
| 規模 | 席数60席、月の売上 約800万円 |
| スタッフ | 社員2名、アルバイト約20名 |
| 立場 | 副店長(2年目から) |
3. 数字への関わりの書き方
| 数字の種類 | 書き方の例 |
|---|---|
| 売上 | 前年同月比で売上 105%(担当した半年間の平均) |
| 原価 | 食材の発注量を見直し、原価率を32%から30%に改善 |
| 人件費 | 時間帯ごとの客数に合わせてシフトを組み直し、人件費率を2ポイント改善 |
| 客単価 | おすすめの一品の声かけを徹底し、客単価を約200円向上 |
| 評価 | 覆面調査の評価 エリア内12店舗中2位 |
数字は、自分がどこまで関わったかを正直に書いてください。店長と一緒に取り組んだ場合は「店長と協力して」と書けば十分です。面接で詳しく聞かれても説明できる範囲にとどめましょう。
4. 人の育成の書き方
ビフォー 「アルバイトの教育を担当。」
アフター 「アルバイト約20名の教育とシフトづくりを担当。新人が3か月以内に辞めることが多かったため、最初の1か月は必ず経験のあるスタッフと組むシフトにし、週に一度は短い面談をする仕組みを店長に提案しました。その後に入った新人の多くが半年以上続くようになりました。」
人の育成は、異業種の採用担当にも伝わりやすい経験です。「何人を」「どんな方法で」「どう変わったか」を書いてください。
5. 見本①:飲食から飲食へ
職務要約
株式会社○○にて2年間、居酒屋チェーンの店舗で勤務。1年目はホールとキッチンを経験し、2年目から副店長として、売上・原価・人件費の管理とアルバイト約20名の教育、シフトづくりを担当しました。人件費率の改善と、新人の定着の仕組みづくりに取り組みました。
職務経歴
2024年4月〜現在 株式会社○○ ○○駅前店
・店舗:席数60席、月の売上 約800万円、社員2名・アルバイト約20名
・2024年4月〜:ホール・キッチンの業務、食材の発注
・2025年4月〜:副店長として、売上・原価・人件費の管理、アルバイトの採用面接と教育、月のシフトづくり
・実績:時間帯ごとの客数に合わせたシフトの組み直しで人件費率を2ポイント改善、新人の定着の仕組みを提案
・資格:食品衛生責任者
見本の数字や社名は架空のものです。必ず自分の実際の経験に置き換えてください。
6. 見本②:飲食から異業種へ(営業職)
職務要約
株式会社○○にて2年間、居酒屋チェーンの副店長として、店舗の売上管理とアルバイト約20名の育成を担当。客数と客単価に分けて売上を考え、おすすめの声かけの徹底や、時間帯ごとのシフトの見直しに取り組みました。数字を見て行動を変える経験と、人をまとめる経験を生かし、法人営業に挑戦したいと考えています。
職務経歴
2024年4月〜現在 株式会社○○ ○○駅前店
・数字の管理:日々の売上・客数・客単価を確かめ、週ごとに店長と振り返り
・売上の改善:おすすめの一品の声かけを徹底し、客単価を約200円向上
・人の育成:アルバイト約20名の教育、採用面接(月2〜3名)、シフトづくり
・お客様対応:団体予約の相談と提案、ご意見への対応
異業種へ移る場合は、飲食の経験を「数字を見て行動を変えた」「人をまとめた」「お客様に提案した」と言い換えて前に出すのが基本です。
7. 落ちる書き方5つ
| 落ちる書き方 | 何が問題か | 直し方 |
|---|---|---|
| 「ホール・キッチン業務全般」だけ | 経験の中身が分からない | 店舗の概要と担当した業務を書く |
| 数字に一言も触れない | 管理の経験が見えない | 売上・原価・人件費のどれかを書く |
| 人の育成を書いていない | 人をまとめる力が分からない | 人数・方法・変化を書く |
| 店長の成果を自分の成果のように書く | 面接で崩れる | 自分の関わりを正直に書く |
| 長時間労働の不満が入る | 前向きさが見えない | 書かない(面接で聞かれたら前向きに答える) |
8. 面接で深掘りされる3か所
| 深掘りされる点 | 聞かれ方の例 | 準備 |
|---|---|---|
| 数字の改善 | 人件費率はどうやって改善しましたか | 見直した具体的な手順 |
| 人の育成 | 辞めそうなスタッフにどう関わりましたか | 実際の関わり方 |
| 異業種へ移る理由 | なぜ飲食を離れるのですか | 飲食で学んだことと、次に実現したいこと |
提出前に見直す5つの点
| 見直す点 | 確かめること |
|---|---|
| 店舗の概要 | 業態・席数・スタッフの人数が書けているか |
| 立場の変化 | ホール、キッチン、副店長など、役割の移り変わりが分かるか |
| 数字 | 自分が関わった数字と、店長の成果を分けて書けているか |
| 人の育成 | 人数・方法・変化の3つがそろっているか |
| 言葉 | 飲食店の中だけで通じる言葉を、一般的な言葉に直せているか |
特に5つ目の言葉の見直しは、異業種へ移る人にとって大切です。「仕込み」「ピーク」など、飲食店では当たり前の言葉も、他の業界の採用担当には伝わりにくいことがあります。書き終えたら、飲食の経験がない人が読んでも分かるかを確かめてください。
9. よくある質問
アルバイトの経験しかなくても職務経歴書に書けますか
書けます。アルバイトでも、アルバイトリーダーとして新人の指導やシフトづくりを担当していれば、社員の仕事に近い経験として評価されます。正社員の経験と区別して、正直に書いてください。
店の売上の数字を書いてもよいですか
会社の決まりで公開していない数字の場合は、書かないほうが無難です。その場合は、席数やスタッフの人数など、規模が分かる別の数字や、前年比などの割合で表してください。
副店長や店長の経験がない場合はどう書けばよいですか
役職がなくても、発注やシフトづくり、新人の指導など、任されていた役割を書いてください。肩書きより、店のために何を任され、どう取り組んだかが見られています。
職務経歴書は何枚がよいですか
第二新卒であれば、1〜2枚が目安です。店舗の概要、数字への関わり、人の育成の3つの欄が分かりやすいことを優先してください。
異動が多かった場合はどう書けばよいですか
店舗ごとに期間を分けて書いてください。新店の立ち上げや売上の立て直しなど、任されて異動した場合は、その目的と取り組みを書くと評価につながります。
異業種へ移る場合、何を前に出せばよいですか
数字を見て行動を変えた経験、人をまとめた経験、お客様に提案した経験を前に出してください。応募先の仕事に近い経験を、飲食の言葉ではなく一般的な言葉で書くのが基本です。
資格は書いたほうがよいですか
食品衛生責任者や調理師など、取得したものは書いてください。異業種へ移る場合も、資格を取った経験は、学ぶ姿勢として評価されることがあります。
自己PR欄と職務経歴の内容が重なってもよいですか
重なって構いませんが、役割を分けてください。職務経歴には事実と数字を、自己PRにはその経験から見える強みと、応募先での生かし方を書くと、書類全体が読みやすくなります。
10. まとめ:今日やる3つのこと
今日やる3つのこと
① 店舗の業態・席数・売上の規模・スタッフの人数を書き出す
② 売上・原価・人件費・客単価のうち、自分が関わった数字を集める
③ 人の育成で工夫したことを、人数・方法・変化で書く
※ 「業務全般」で終わらせない。数字と人の管理を必ず書く
数字と人の管理まで書ける飲食店の職務経歴書は多くありません。飲食の経験は、書き方次第で同業でも異業種でも強い材料になります。
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この記事を書いた人
木戸 悠介(きど ゆうすけ)/なぜキャリア?運営者。1996年生まれ、神戸市出身。
23歳で上場企業子会社に新卒入社し、メディア広告営業を担当。25歳で第二新卒として障がい福祉領域のSaaS企業へ転職し、営業から営業企画へ職種を変えた。2ヶ月で10社に応募し2社から内定。その後スタートアップに3人目の社員として参画し、現在は自分の会社を経営している。