医療・福祉業界の志望動機|未経験・第二新卒の例文6パターンと落ちる書き方【2026年版】
医療・福祉業界の志望動機で一番多いのは、「人の役に立ちたい」「困っている人を支えたい」という書き出しです。この業界で働く人に欠かせない気持ちですが、応募者のほとんどが同じことを書くため、これだけでは採用担当の記憶に残りません。
採用担当が知りたいのは、なぜ医療・福祉の中で、この施設、この仕事なのか、そして体力的にも気持ちの面でも大変な場面がある仕事を、続けていけるかです。医療・福祉業界は、資格がなくても入れる職種が多く、未経験の第二新卒も歓迎されやすい業界です。だからこそ、仕事の実態を理解したうえでの志望動機が強く評価されます。
この記事では、医療・福祉業界の志望動機を組み立てる3つの材料と、施設の種類ごとの書き分け、例文6パターンを整理します。なお、医療・福祉の資格や制度に関する記述は一般的な整理であり、個別の判断は公的機関の情報や応募先の説明で確かめてください。
1. 結論:志望動機は3つの材料で組み立てる
| 材料 | 書くこと | 例 |
|---|---|---|
| 関心を持ったきっかけ | 医療・福祉の現場や支えを見た経験 | 家族の介護で、専門職の方の関わり方に救われた |
| 担いたい役割 | 直接支える・事務で支える・仕組みで支えるのどれか | 受付と事務で、患者さんが安心して受診できる環境をつくる |
| その施設・会社を選ぶ理由 | 施設の方針、対象者、職員の育て方 | 利用者一人ひとりのペースを大切にする方針 |
2つ目の担いたい役割を書ける応募者は多くありません。医療・福祉業界には、直接支える仕事だけでなく、事務や相談、用具の提案など、さまざまな関わり方があります。自分がどの役割で関わりたいかが書けるだけで、業界を理解して応募していることが伝わります。
2. 「人の役に立ちたい」を評価される言葉に変える
| ありがちな表現 | 評価される言い換え |
|---|---|
| 人の役に立ちたい | ○○に困っている人が、その人らしく暮らせるよう支えたい |
| 困っている人を支えたい | 体や心の状態に合わせて、一人ひとりに必要な支えを届けたい |
| 安定した業界だから | 長く必要とされる仕事に、腰を据えて関わりたい |
| 資格がなくても始められるから | 書かない(入職後に学びながら資格を目指したい、と言い換える) |
| 家族の介護がきっかけ | 具体的な場面と、そこから学んだことまで書く |
家族の病気や介護をきっかけにする場合は、詳しい病状まで書く必要はありません。その経験から何を感じ、どう関わりたいと思ったかを中心に書いてください。
3. 施設の種類と職種で書き分ける
| 施設・会社 | 資格なしで入れる主な職種 | 書くとよいこと |
|---|---|---|
| 病院・クリニック | 医療事務、受付、看護助手 | 患者さんが安心して受診できる環境への関心 |
| 介護施設(高齢者) | 介護職員、介護事務 | 一人ひとりの暮らしを支えることへの関心 |
| 障がい福祉の事業所 | 生活支援員、就労支援員 | その人らしい生活や働き方を支えることへの関心 |
| 福祉用具・介護用品の会社 | 営業、相談員の補助、配送 | 用具で暮らしを楽にする提案への関心 |
| 医療・福祉の関連企業 | 営業、事務、システムの支援 | 仕組みで現場を支えることへの関心 |
応募先が、どんな人を対象にしているかを必ず確かめてください。高齢者の介護と、障がいのある人の支援では、関わり方も求められることも違います。
4. 例文6パターン
例文1:販売職から介護職へ
前職ではドラッグストアで販売を担当し、高齢のお客様から体の不安や生活の困りごとを聞くことが多くありました。お話を聞くことはできても、それ以上の支えができないもどかしさを感じ、暮らしそのものを支える仕事に関わりたいと考えるようになりました。利用者の方一人ひとりのペースを大切にする貴施設の方針に共感し、志望しました。入職後は学びながら資格の取得も目指したいと考えています。
例文2:事務職から医療事務へ
前職では2年間、総務の事務として来客の受付と書類の管理を担当してきました。正確さと、来客の方への丁寧な対応を大切にしてきました。家族の通院に付き添った時、受付の方の落ち着いた対応に安心したことが印象に残っています。患者さんが安心して受診できる環境を、事務の立場から支えたいと考え、貴院を志望しました。
例文3:営業職から障がい福祉の事業所へ
前職では法人営業として、取引先の困りごとを聞いて提案する仕事をしてきました。その中で、障がいのある方が働く職場を訪問する機会があり、一人ひとりに合わせた仕事の工夫で、生き生きと働く姿に心を動かされました。その人らしい働き方を支える就労支援の仕事に関わりたいと考え、貴事業所を志望しました。
例文4:介護の経験から福祉用具の会社へ
前職では介護施設で働き、利用者の方の移動や入浴を支えてきました。福祉用具が合うかどうかで、利用者の方の暮らしやすさも、職員の負担も大きく変わることを実感しました。現場で見てきた困りごとを生かし、用具の提案を通じて多くの人の暮らしを楽にしたいと考え、貴社を志望しました。
例文5:IT業界から医療・福祉の関連企業へ
前職ではシステム開発の会社で、利用者の声をもとに画面を改善する仕事をしてきました。介護施設のお客様を担当した際、記録の仕組みが変わるだけで職員の方の負担が大きく減る様子を見ました。仕組みで医療・福祉の現場を支える貴社の仕事に関わりたいと考えています。
例文6:短期離職の経験がある場合
前職は1年で退職しましたが、その中で、自分は人と直接向き合い、相手の変化を感じられる仕事にやりがいを感じると気づきました。前職では数字と向き合う時間が中心で、自分の仕事が誰の役に立っているのか見えにくいことに迷いがありました。利用者の方と長く関わる貴施設の仕事なら、長く続けられると考えています。今回は施設を見学し、仕事の中身を確かめたうえで応募しています。
例文の経験や数字は、必ず自分の実際の経験に置き換えてください。家族や知人の健康のことは、必要な範囲だけにとどめてください。
5. 書く前に集めておく材料
| 材料 | 集め方 | 使う場所 |
|---|---|---|
| 施設の方針と対象者 | 施設のサイト、パンフレット、見学 | その施設を選ぶ理由 |
| 職員の育て方と資格の支援 | 求人票、見学での質問 | その施設を選ぶ理由 |
| 医療・福祉に触れた経験 | 家族の通院や介護、前職での関わり | 関心を持ったきっかけ |
| 人を支えた経験 | 接客、指導、相談に乗った場面 | 担いたい役割の根拠 |
医療・福祉の施設は、可能であれば見学してから応募するのがおすすめです。見学で見た職員の関わり方は、志望動機の一番具体的な材料になります。
6. 落ちる書き方5つ
| 落ちる書き方 | 何が問題か | 直し方 |
|---|---|---|
| 「人の役に立ちたい」だけ | 誰でも書ける | 誰をどう支えたいかを書く |
| 「資格がなくても始められるから」 | 仕事への関心が見えない | 書かない |
| 対象者に触れない | どの施設でもよいと読まれる | 施設の対象者と方針に触れる |
| 大変さへの理解がない | すぐ辞めるのではと心配される | 大変な場面も理解していることを示す |
| 家族の病状を詳しく書く | 志望動機の中心がずれる | 経験から学んだことを中心にする |
7. 書き方の手順(40分+見学)
- 可能であれば施設を見学し、印象に残った場面をメモする
- 医療・福祉に関心を持ったきっかけを1文で書く(10分)
- 担いたい役割を1〜2文で書く(10分)
- 施設の方針や見学で見たことに触れて、その施設を選ぶ理由を書く(15分)
- 全体を300字前後に整え、声に出して読む(5分)
8. 面接で深掘りされる3か所
| 深掘りされる点 | 聞かれ方の例 | 準備 |
|---|---|---|
| 仕事の実態 | 体力的にも気持ちの面でも大変な仕事ですが、大丈夫ですか | 大変な場面の理解と、続けるための工夫 |
| 勤務の形 | 夜勤や早番・遅番はできますか | 働ける条件を正直に整理する |
| 資格 | 資格の取得についてどう考えていますか | 目指す資格と、学ぶ計画 |
職種別の志望動機もあわせて
医療・福祉業界の中でも、介護職・医療事務など、職種によって書くべきことが変わります。応募する職種が決まっている場合は、記事の最後に挙げた職種別の記事もあわせて読んでください。
9. よくある質問
資格がなくても医療・福祉業界に入れますか
入れます。医療事務、受付、看護助手、介護職員、生活支援員など、資格がなくても始められる職種が多くあります。入職後に資格の取得を支援する施設も多いため、求人票で確かめてください。
家族の介護をきっかけとして書いてもよいですか
書いて構いません。ただし、詳しい病状まで書く必要はありません。その経験から何を感じ、どう関わりたいと思ったかを中心に書くと、前向きな志望動機になります。
体力に自信がなくても大丈夫ですか
職種によって求められる体力は違います。介護職は体を使う場面が多い一方で、医療事務や相談の仕事は体力的な負担が比較的少ないです。仕事内容を確かめて、自分に合う職種を選んでください。
志望動機の長さはどれくらいがよいですか
履歴書なら200字から300字が目安です。関心を持ったきっかけ、担いたい役割、その施設を選ぶ理由の3つが入っていれば、長さより中身で評価されます。
夜勤があることは志望動機に書くべきですか
書く必要はありません。夜勤がある施設では、面接で条件として確かめられることが多いです。難しい事情がある場合は、正直に相談してください。
医療・福祉以外の業界からでも評価されますか
評価されます。接客や営業で人の話を聞いてきた経験、事務で正確さを大切にしてきた経験は、医療・福祉の仕事でも生きます。前職の経験と、担いたい役割をつなげて書いてください。
複数の施設に応募する時、志望動機は変えるべきですか
その施設を選ぶ理由の部分は、必ず変えてください。方針や対象者が施設ごとに違うため、そこに触れた一文があるかどうかで、志望度の伝わり方が変わります。
前職を短期間で辞めていることは不利になりますか
理由を整理して書ければ、大きな不利にはなりにくいです。前職で気づいたこと、医療・福祉を選んだ理由、長く続けられる理由をつなげて書いてください。
10. まとめ:書く前にやる3つのこと
書く前にやる3つのこと
① 応募先の施設の方針と対象者を調べ、可能なら見学する
② 直接支える・事務で支える・仕組みで支えるのどれで関わりたいかを決める
③ 大変な場面も理解したうえで、続けられる理由を整理する
※ 「人の役に立ちたい」で終わらせない。誰をどう支えたいかを書く
担いたい役割まで書ける応募者は多くありません。医療・福祉の資格や制度に関する記述は一般的な整理であり、個別の判断は公的機関の情報や応募先の説明で確かめてください。
この先、読むべき記事
- 介護・福祉業界へ転職する|第二新卒が現場職以外の職種を知る(業界の全体像)
- 病院・クリニックへ転職する|第二新卒が資格なしで入れる職種を整理する(医療機関の場合)
- 介護職の志望動機|未経験・第二新卒の例文5パターンと落ちる書き方(介護職の場合)
- 医療事務の志望動機|未経験・第二新卒の例文5パターンと落ちる書き方(医療事務の場合)
- 福祉用具・介護用品の会社へ転職する|第二新卒が知る職種と入口(福祉用具の場合)
- 介護職の職務経歴書|第二新卒が書類を通す書き方と見本(書類の書き方)
- 業界別の志望動機まとめ|第二新卒が業界ごとに変える書き方(他の業界の書き方)
この記事を書いた人
木戸 悠介(きど ゆうすけ)/なぜキャリア?運営者。1996年生まれ、神戸市出身。
23歳で上場企業子会社に新卒入社し、メディア広告営業を担当。25歳で第二新卒として障がい福祉領域のSaaS企業へ転職し、営業から営業企画へ職種を変えた。2ヶ月で10社に応募し2社から内定。その後スタートアップに3人目の社員として参画し、現在は自分の会社を経営している。