介護職の職務経歴書|第二新卒が書類を通す書き方と見本【2026年版】
介護職の職務経歴書で多いのは、「身体介助、生活援助を担当」と業務名を並べるだけの書き方です。介護の仕事は、施設の種類や利用者の方の状態によって中身が大きく違います。業務名だけでは、どのくらいの経験があり、どこまで任せられるのかが採用担当に伝わりません。
介護職の採用担当が職務経歴書で確かめたいのは、働いていた施設の種類と規模、担当した介助の内容と夜勤の有無、利用者の方や職員との関わりで工夫したことの3つです。介護の経験は、同じ介護職への転職でも、一般企業への転職でも、書き方次第で強い材料になります。
この記事では、介護職の職務経歴書の書き方を欄ごとに整理し、見本とあわせて紹介します。なお、介護の資格や制度に関する記述は一般的な整理であり、個別の判断は公的機関の情報や応募先の説明で確かめてください。
1. 結論:採用担当が見る3つの欄
| 欄 | 書くこと | なぜ見られるか |
|---|---|---|
| 施設の概要 | 施設の種類、定員、職員の人数、利用者の方の状態 | 応募先と近い経験かを判断する |
| 担当した業務 | 介助の内容、夜勤の有無と回数、記録や会議への参加 | 入社後に任せられる範囲を判断する |
| 工夫と役割 | 利用者の方への関わり方、職員との連携、後輩の指導 | 長く一緒に働けるかを判断する |
3つ目の工夫と役割を書ける応募者は多くありません。介助の内容は誰でも書けますが、その中で自分が何を考えて関わったかは、人によって違います。その違いが、採用担当にとって最も知りたいことです。
2. 施設の概要を短く書く
| 項目 | 書き方の例 |
|---|---|
| 施設の種類 | 特別養護老人ホーム(ユニット型) |
| 規模 | 定員80名、1ユニット10名、介護職員約40名 |
| 利用者の方の状態 | 要介護3〜5の方が中心、認知症のある方が多い |
| 勤務の形 | 日勤・早番・遅番・夜勤の交替制 |
施設の種類が分かると、採用担当は自分の施設と比べられます。特別養護老人ホーム、有料老人ホーム、グループホーム、デイサービス、訪問介護など、それぞれで求められる経験が違うからです。
3. 担当した業務の書き方
| 業務 | 書き方の例 |
|---|---|
| 身体介助 | 食事・入浴・排せつの介助、移乗の介助(車いす・ベッド) |
| 生活援助 | 居室の清掃、洗濯、レクリエーションの企画と実施 |
| 夜勤 | 月4〜5回、1名で10名の利用者の方を担当 |
| 記録と会議 | 介護記録の入力、月1回のケア会議への参加 |
| 家族への対応 | 面会時の様子の報告、電話での連絡 |
夜勤の経験は、回数と一人で担当した人数まで書いてください。夜勤を一人で任されていたことは、それだけで信頼の証として評価されます。
4. 工夫と役割の書き方
ビフォー 「利用者様に寄り添った介護を心がけました。」
アフター 「食事の時間に落ち着かず、食べる量が少ない利用者の方がいたため、好きだった音楽の話をしながら介助する方法を他の職員と共有しました。職員全員で同じ関わり方をしたことで、1か月ほどで食べる量が増え、ご家族からもお礼の言葉をいただきました。」
「寄り添った」という言葉を、具体的な場面と変化に置き換えるだけで、採用担当の受け取り方は大きく変わります。
5. 見本①:介護から介護へ
職務要約
社会福祉法人○○にて2年間、特別養護老人ホームの介護職員として、身体介助と生活援助を担当。月4〜5回の夜勤では、1名で10名の利用者の方を担当しました。2年目からはユニットのレクリエーションの担当と、新人職員の指導を任されています。介護職員初任者研修を修了しています。
職務経歴
2024年4月〜現在 社会福祉法人○○ 特別養護老人ホーム○○
・施設:ユニット型、定員80名、要介護3〜5の方が中心
・業務:食事・入浴・排せつの介助、移乗の介助、介護記録の入力、ケア会議への参加
・夜勤:月4〜5回、1名で10名を担当
・役割:ユニットのレクリエーションの企画(月2回)、新人職員2名の指導
・工夫:食事の量が少ない利用者の方への関わり方を職員間で共有し、食べる量の改善につなげました
見本の数字や法人名は架空のものです。必ず自分の実際の経験に置き換えてください。利用者の方が特定できる書き方は避けてください。
6. 見本②:介護から一般企業へ(異業種)
職務要約
社会福祉法人○○にて2年間、特別養護老人ホームの介護職員として勤務。利用者の方やご家族、看護師やケアマネジャーなど、立場の違う人と連携しながら仕事を進めてきました。2年目からは新人職員の指導とレクリエーションの企画を担当。人と向き合い、周りと協力して仕事を進める経験を生かし、営業事務の仕事に挑戦したいと考えています。
職務経歴
2024年4月〜現在 社会福祉法人○○ 特別養護老人ホーム○○
・業務:入居者約80名の施設で、身体介助と生活援助、介護記録の入力
・連携:看護師・ケアマネジャー・ご家族と情報を共有し、ケアの方針をそろえる
・記録:介護記録をその日のうちに正確に入力し、申し送りに使う一覧表を作成
・役割:新人職員2名の指導、月2回のレクリエーションの企画と準備
異業種へ移る場合は、介護の経験を「人と向き合った」「周りと連携した」「記録を正確に残した」と言い換えて前に出すのが基本です。
7. 落ちる書き方5つ
| 落ちる書き方 | 何が問題か | 直し方 |
|---|---|---|
| 業務名を並べるだけ | 経験の中身が分からない | 施設の概要と介助の内容を具体的に書く |
| 「寄り添った介護」だけ | 工夫が見えない | 具体的な場面と変化を書く |
| 夜勤の経験を書いていない | 任せられる範囲が分からない | 回数と担当人数を書く |
| 利用者の方が特定できる書き方 | 個人情報への意識が低く見える | 年齢や状態の概要にとどめる |
| 前の職場への不満が入る | 同じ理由で辞めると心配される | 自分の工夫だけを書く |
8. 面接で深掘りされる3か所
| 深掘りされる点 | 聞かれ方の例 | 準備 |
|---|---|---|
| 工夫 | その関わり方を思いついたきっかけは | 利用者の方の変化に気づいた場面 |
| 夜勤 | 夜勤で大変だったことは | 判断に迷った時の動き方 |
| 連携 | 職員と意見が合わなかった時は | 相談して方針をそろえた経験 |
提出前に見直す5つの点
| 見直す点 | 確かめること |
|---|---|
| 施設の種類 | 正式な種類の名前で書けているか |
| 夜勤 | 回数と、一人で担当した人数が書けているか |
| 工夫 | 場面・関わり方・変化の3つがそろっているか |
| 個人情報 | 利用者の方やご家族が特定できる書き方になっていないか |
| 資格 | 正式な名前と、取得・修了の時期が書けているか |
5つの点を見直すだけで、書類の読みやすさは大きく変わります。特に工夫の欄は、採用担当が最もよく読む部分です。書き終えたら一度声に出して読み、場面が目に浮かぶかを確かめてください。
9. よくある質問
介護の経験が1年程度でも書けることはありますか
あります。施設の概要と担当した介助、夜勤の経験、利用者の方との関わりで工夫したことを具体的に書けば、十分に評価されます。経験の長さより、何を考えて関わったかが見られています。
資格はどう書けばよいですか
取得した資格の名前と取得の時期を書いてください。介護職員初任者研修や実務者研修など、修了したものは正確な名前で書きます。勉強中の資格があれば、その状況を書いて構いません。
利用者の方のことはどこまで書いてよいですか
年齢や要介護度、状態の概要程度にとどめてください。名前や、特定できるような詳しい情報は書かないことが大切です。個人情報への配慮も、介護職としての姿勢として見られています。
職務経歴書は何枚がよいですか
第二新卒であれば、1〜2枚が目安です。施設の概要、担当した業務、工夫と役割の3つの欄が分かりやすいことを優先してください。
複数の施設で働いた場合はどう書けばよいですか
施設ごとに期間を分けて書いてください。施設の種類が違う場合は、それぞれで経験したことを書くと、経験の幅が伝わります。
介護から一般企業へ移る場合、何を前に出せばよいですか
立場の違う人と連携した経験、記録を正確に残した経験、後輩を指導した経験などを前に出してください。介護の仕事の中にある、一般企業でも生きる経験を言い換えて書くのが基本です。
自己PR欄と職務経歴の内容が重なってもよいですか
重なって構いませんが、役割を分けてください。職務経歴には事実と数字を、自己PRにはその経験から見える強みと、応募先での生かし方を書くと、書類全体が読みやすくなります。
短期間で辞めた施設も書くべきですか
職歴として書いてください。短い期間でも、担当した業務と学んだことを簡潔に書けば問題ありません。辞めた理由は、面接で聞かれた時に前向きに答えられるよう準備しておきましょう。
10. まとめ:今日やる3つのこと
今日やる3つのこと
① 施設の種類・規模・利用者の方の状態・勤務の形を書き出す
② 担当した介助と、夜勤の回数・担当人数を整理する
③ 利用者の方への関わりで工夫したことを1つ、場面と変化で書く
※ 「寄り添った介護」だけで終わらせない。具体的な場面と変化を書く
工夫を場面で書ける介護職の職務経歴書は多くありません。介護の資格や制度に関する記述は一般的な整理であり、個別の判断は公的機関の情報や応募先の説明で確かめてください。
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この記事を書いた人
木戸 悠介(きど ゆうすけ)/なぜキャリア?運営者。1996年生まれ、神戸市出身。
23歳で上場企業子会社に新卒入社し、メディア広告営業を担当。25歳で第二新卒として障がい福祉領域のSaaS企業へ転職し、営業から営業企画へ職種を変えた。2ヶ月で10社に応募し2社から内定。その後スタートアップに3人目の社員として参画し、現在は自分の会社を経営している。