店舗開発の自己PR|第二新卒の例文6パターンと出店判断の数字化【2026年版】
店舗開発の自己PRでよく見る書き出しは「行動力があります」「足で稼ぐことができます」です。情報収集の量が成果に効く職種なので、自然とそう書きたくなります。
ただ、読み手が探しているのはそこではありません。集めた情報を、社内が判断できる材料に変えられるかです。物件を100件見てきても、稟議が通らなければ1店も開きません。
この記事では、自己PRに入れる3つの要素、未経験でも数字にできる材料、そのまま使える例文6パターンを整理します。なお、契約や手続きに関する記述は一般的な整理であり、個別の判断は所属先の規程や専門機関に確認してください。
1. 結論:入れる要素は3つ
| 要素 | 書く内容 | なぜ効くか |
|---|---|---|
| 数字で判断した経験 | 何を比べて、どう決めたか | 感覚で動かない人だと分かる |
| 社内を通した経験 | 承認を得るまでの段取り | 稟議を通せると伝わる |
| 社外との関係 | 情報が入ってくる作り方 | 成果の源泉だから |
2番目を書く応募者がほとんどいません。前職が営業でも店舗でも、「社内の承認を得た経験」は必ずあります。そこを書くと、この職種の実務に直結します。
2. なぜ「行動力」では通らないのか
| よくある書き方 | 読み手の反応 |
|---|---|
| 行動力があります | 全員が書いている |
| 足で稼げます | 集めた後どうするのか |
| 人と打ち解けるのが早い | 関係が成果につながったのか |
| 街を見るのが好きです | 判断にどう使うのか |
| フットワークが軽いです | 判断材料にならない |
5つとも「動いた量」の話で止まっています。店舗開発は動いた量ではなく、動いた結果として何が決まったかで評価されます。
一行で変わる例
×「フットワークを活かして情報を集め、積極的に提案してきました」
○「提案の前に、既存店3店と比較した数字を資料に入れる形にしました。質問されてから調べるのではなく、懸念されそうな点を先に潰しておく進め方です」
後者は段取りの話なので、再現されると信じられます。素材が出ないときは自己PRが書けないとき|第二新卒が素材を掘り出す4つの質問を先に回してください。
3. 書ける数字
| 数えるもの | 書き方の例 | 未経験でも書けるか |
|---|---|---|
| 担当した店舗数 | ◯店舗の数字を管理 | 書ける(店舗・本部) |
| 契約・成約件数 | 年間◯件の契約 | 書ける(不動産・営業) |
| 担当エリアの範囲 | ◯市区町村を担当 | 書ける |
| 稟議・承認を得た件数 | 年間◯件の申請を通した | 書ける |
| 扱った金額の規模 | 1件あたり◯万円規模 | 書ける |
| 現地調査の件数 | 年間◯件の物件を確認 | 実務のみ |
| 改善した数字 | 配置の変更で待ち時間◯割減 | 工夫があれば |
未経験でも5項目は書けます。とくに「稟議・承認を得た件数」は数えている人が少ないので、書くと目立ちます。数字が出しにくいと感じる場合の探し方は職務経歴書に書く数字がないとき|第二新卒が数えられるものを見つける5つの探し方にまとめています。
4. 例文6パターン
例文1:店長経験から(数字で運営を変えた)
前職では飲食店の店長を2年間務め、月商とその内訳の管理を担当していました。席数28席、従業員はアルバイト15名の店舗です。
着任して3か月目に、時間帯別の客数と客単価を記録し始めました。感覚では夕方が忙しいと思われていましたが、記録を取ると平日は昼の時間帯のほうが客単価が高いことが分かりました。人員配置とメニューの出し方を変えたところ、同じ売上でも利益率が改善しました。
この経験から、立地と条件によって最初に決まってしまう部分の大きさにも気づきました。店が立ち上がる前の段階で判断材料を作る仕事に携わりたいと考えています。
例文2:不動産営業から(契約と交渉)
前職では賃貸仲介の営業を2年間担当し、年間100件前後の契約に関わっていました。居住用と事業用の両方を扱い、事業用では貸主側の条件と借主側の希望が折り合わない場面が多くありました。
条件を詰めるときは、賃料だけで交渉しないようにしていました。期間、フリーレント、工事区分のどこを動かせばまとまるかを探り、双方が納得できる組み合わせを提示する形です。この進め方で、価格だけでは決まらなかった案件を成立させた経験があります。
物件情報の集め方と条件交渉の進め方は、店舗開発の実務に直接つながると考えています。
例文3:法人営業から(稟議を通した経験)
前職では法人向けの提案営業を担当し、年間30社前後と取引していました。受注前に社内の制作部門と費用の調整を行い、採算が合わない案件では条件を組み替えて稟議にかける役割も担っていました。
稟議を出す前に決めていたのは、懸念されそうな点を先に資料に入れておくことです。過去の類似案件との比較、想定が外れた場合の影響、途中で止める場合の条件の3点を必ず添えるようにしました。差し戻しが減り、承認までの期間が短くなりました。
店舗開発は投資の判断材料を作る仕事だと理解しています。この段取りはそのまま持ち込めると考えています。
例文4:小売の本部職から(複数店舗の比較)
前職では小売チェーンの本部で発注と在庫の管理を担当し、約50店舗分の数字を扱っていました。店舗ごとに売れ方が違うため、立地の特性に合わせて品揃えを調整する作業を日常的に行っていました。
同じ商品でも、駅前と郊外では動きがまったく違います。そこで、立地のタイプごとに店舗を分類して発注の基準を変える提案を行い、在庫の偏りを減らしました。
複数店舗の数字を比較してきた経験は、新しい候補地の売上を見立てる作業に接続すると考えています。
例文5:内装の施工管理から(工事と工程)
前職では内装の施工管理を2年間担当し、年間20件前後の商業施設や路面店の工事に携わっていました。工期と予算の管理、貸主側の担当者や施工会社との調整を行っていました。
区画の形や既存の設備条件によって、できることが最初から限られてしまう場面を何度も経験しました。そのため、着工前の確認項目を自分用のリストにまとめ、計画段階で見落としが出ないようにしていました。
工事区分の判断や工程の見通しは実務として理解しています。物件を選ぶ段階でこの視点を持ち込めると考えています。
例文6:実務経験あり(出店件数と検証)
前職では飲食チェーンの店舗開発を1年半担当し、年間6店舗の出店に関わりました。担当エリアは2県で、年間の現地調査は80件前後でした。
稟議では、既存店3店との比較を必ず資料に入れる形にしました。商圏人口、賃料が売上に占める割合、前面の通行量の3点を同じ基準で並べ、見込みの根拠を示すようにしました。
開店後は3か月時点で予測と実績を突き合わせ、ずれた要因を記録に残していました。動線の読み違いが原因だった案件では、次の候補地で確認の時間帯を増やすよう手順を変えました。
5. 稟議を通した経験の書き方
| 書く要素 | 例 |
|---|---|
| 何を通したか | 費用、条件変更、新規の取り組み |
| 誰の承認が必要だったか | 上長、部門長、役員 |
| 先に潰した懸念 | 過去との比較、外れた場合の影響 |
| 結果 | 差し戻しが減った、期間が短くなった |
3番目が肝です。「説明して納得してもらった」より「聞かれる前に資料に入れた」のほうが、段取りの力として評価されます。稟議の実務は社内の申請・稟議の通し方|第二新卒が差し戻されない書き方にまとめています。
6. 落ちる自己PR5つ
| 型 | なぜ落ちるか | 直し方 |
|---|---|---|
| 行動量だけ | 何が決まったかが不明 | 判断と結果を書く |
| 「感覚で分かります」 | この職種では禁じ手 | 比べた項目を書く |
| 社内の話が一切ない | 稟議を通せるか不明 | 承認を得た経験を入れる |
| 「売上は運営次第」が透ける | 責任を切り離している | 検証する姿勢を書く |
| 1段落で長文 | 読み飛ばされる | 3段落に分け、1段落目に結論 |
3番目が最も多い抜けです。外に出る仕事という印象が強いため、社内の話が落ちます。1文でも入れておけば印象が変わります。書式の整え方は職務経歴書のフォーマット|第二新卒が選ぶべき型と使い分けを参考にしてください。
7. 面接で追撃される3問
| 質問 | 意図 | 答えの方向 |
|---|---|---|
| その比較の項目はなぜその3つですか | 自分で考えたか | 外れた経験から説明する |
| 反対されたときはどうしましたか | 稟議の実際 | 先に潰す段取りを話す |
| 予測が外れた案件はありますか | 検証する姿勢 | ずれの要因と、変えた手順 |
3番目は正直に答えてください。「外れたことはありません」と答えると、検証していないのではないかと見られます。ずれを認めて手順を変えた経験があれば、それが最も強い答えになります。
8. 応募先別の書き分け
| 応募先 | 前に出す材料 |
|---|---|
| 直営中心のチェーン | 数字での比較、検証の記録 |
| フランチャイズ展開の本部 | 説明して納得させた経験 |
| 成長期のチェーン | 件数、スピード、エリアの広さ |
| 成熟期のチェーン | 既存店の改善、移転の判断 |
| 商業施設への出店が中心 | 館の担当者との関係作り |
材料は同じでも、1段落目に置くものを変えてください。成長期なら件数とスピード、成熟期なら検証と改善が前に来ます。全文の書き直しは必要ありません。
9. よくある質問
未経験で、出店の数字が1つもありません
担当店舗数、契約件数、稟議を通した件数のいずれかで書いてください。店舗勤務、営業、本部職のどれかがあれば数えられます。扱っていた対象が物件でなくても、同じ軸で読まれます。
稟議を通した経験が思い出せません
費用の申請、条件の変更、新しい取り組みの提案——どれでも構いません。金額が小さくても、誰かの承認を得て進めた経験であれば書けます。承認までに何を用意したかを添えてください。
「行動力」は書かないほうがよいですか
書いても構いませんが、柱にしないでください。行動量は前提として見られる程度です。動いた結果として何が決まったかを書くと、同じ内容でも評価が変わります。
担当エリアはどう書けばよいですか
市区町村の数や県の範囲で書くと規模が伝わります。移動の手段(車か公共交通か)も添えると、働き方を理解していると伝わります。
予測が外れた経験を書くと不利になりませんか
不利になりません。むしろ検証している証拠として評価されます。ずれの要因を特定し、次の案件で手順を変えたところまで書けば、学習できる人だと判断されます。
宅地建物取引士は自己PRに入れますか
資格は資格欄に書き、自己PRでは実務でどう活かしたかを書いてください。保有していない場合も、必須としない求人が多いので心配しすぎる必要はありません。
前職の在籍期間が短いのですが
期間は隠さず書き、その中で担当した件数を具体的に出してください。短い期間でも、担当店舗数や調査件数は数えられます。期間より中身を示すほうが判断材料になります。
職務経歴書と履歴書で同じ内容を使えますか
骨格は同じで構いませんが、履歴書は分量が限られるため圧縮が必要です。職務経歴書では件数と段取りを詳しく、履歴書では結論と根拠を1つに絞ってください。
10. まとめ:今週やる3つのこと
店舗開発の自己PRで差がつくのは、行動量ではなく集めた情報を社内が判断できる材料に変えた経験です。
今週やる3つのこと
① 担当店舗数・契約件数・稟議を通した件数を数えて書き出す
② 数字を見て判断を変えた場面を1つ選び、比べた項目まで書く
③ 承認を得るときに「先に潰した懸念」を書く(過去との比較、外れた場合の影響など)
※ 「感覚で分かります」と「売上は運営次第」は書かない。どちらもこの職種では避けるべき表現です
稟議を通した経験を数えている応募者はほとんどいません。数えるだけで差がつきます。
この先、読むべき記事
- 店舗開発の面接|第二新卒が聞かれる想定問答12と評価される答え方(書類の次の段階)
- 店舗開発の志望動機|未経験・第二新卒の例文5パターンと落ちる書き方(志望動機の作り方)
- 社内の申請・稟議の通し方|第二新卒が差し戻されない書き方(稟議の実務)
- 不動産営業の自己PR|第二新卒の例文6パターンと件数と単価の書き方(物件を扱う職種の書き方)
- 職務経歴書に書く数字がないとき|第二新卒が数えられるものを見つける5つの探し方(数字の探し方)
- 職務経歴書のフォーマット|第二新卒が選ぶべき型と使い分け(書式の整え方)
- 自己PRの書き方 職種別まとめ|第二新卒が自分の職種の例文を探す(他の職種の例文)
この記事を書いた人
木戸 悠介(きど ゆうすけ)/なぜキャリア?運営者。1996年生まれ、神戸市出身。
23歳で上場企業子会社に新卒入社し、メディア広告営業を担当。25歳で第二新卒として障がい福祉領域のSaaS企業へ転職し、営業から営業企画へ職種を変えた。2ヶ月で10社に応募し2社から内定。その後スタートアップに3人目の社員として参画し、現在は自分の会社を経営している。