上司に伝える退職理由|第二新卒が角を立てずに引き止められにくい言い方と例文8パターン【2026年版】
退職を決めたあと、上司に伝える場面で一番迷うのが「退職理由をどう話すか」ではないでしょうか。本音をそのまま話せば角が立ちそうで、ごまかせば引き止めの話し合いが長引きそうだからです。
上司に伝える退職理由は、面接で話す退職理由とは目的が違います。上司に対しては、引き止めの余地がないことを、角を立てずに伝えることが目的です。不満を伝えて職場を良くすることではありません。
この記事では、上司が退職理由で確かめていること、本音と伝える理由の分け方、引き止められにくい理由の型、例文8パターンを整理します。
1. 結論:「前向きな理由+もう決めたこと」を短く伝える
| 要素 | 伝えること | 例 |
|---|---|---|
| 前向きな理由 | 次にやりたいこと | 営業企画の仕事に挑戦したい |
| 決めたこと | すでに決めたこと、相談ではないこと | 悩んだうえで、退職することに決めました |
| 感謝 | これまでの感謝 | これまで指導していただき、ありがとうございました |
| 引き継ぎの意思 | 最後まで責任をもつこと | 引き継ぎはきちんと行います |
退職理由は、短いほど引き止められにくくなります。理由を詳しく話すほど、上司は「その問題なら解決できる」と引き止めの材料を見つけやすくなるからです。
2. 上司が退職理由で確かめていること
| 確かめていること | 上司の考え |
|---|---|
| 引き止められるか | 社内で解決できる理由なら、引き止めたい |
| 職場に問題があるか | 自分の部署の問題なら、改善したい |
| 本当に決めたか | まだ迷っているなら、考え直してほしい |
| いつまで働けるか | 引き継ぎと人員の手配を考えたい |
上司は、引き止められる理由かどうかを考えながら聞いています。「給料が低い」「仕事が多い」のような理由は、社内で解決できると思われやすく、引き止めの話し合いが長くなりがちです。
3. 本音と伝える理由の分け方
| 本音 | 上司に伝える理由の例 |
|---|---|
| 上司と合わない | 別の職種に挑戦したい |
| 給料が低い | 専門性を身につけられる仕事に就きたい |
| 残業が多い | 違う働き方を試したい |
| 仕事がつまらない | 〇〇の仕事に関わりたい |
| 会社の将来が不安 | 違う業界で経験を積みたい |
伝える理由は、うそではなく、本音の中の前向きな部分です。上司と合わないことが本音でも、その裏に「こういう仕事がしたい」という気持ちがあるはずです。その部分を伝えてください。
4. 引き止められにくい理由の型
| 型 | なぜ引き止められにくいか | 例 |
|---|---|---|
| 社内にない仕事に挑戦する | 社内で解決できない | 社内にない営業企画の仕事に挑戦したい |
| 違う業界に移る | 社内で解決できない | 福祉の業界で働きたい |
| 次の会社が決まっている | もう決めたことが伝わる | 次の勤め先が決まりました |
| 家庭の事情 | 会社が立ち入りにくい | 家庭の事情で、地元に戻ることになりました |
一番引き止められにくいのは、「社内では実現できないこと」を理由にすることです。部署の異動や待遇の改善では解決できないと分かれば、上司も話を前に進めやすくなります。
5. 本音別の例文8パターン
※以下の例文はすべて架空の設定です。自分の状況に置き換えて使ってください。
5-1. 職種を変えたい
お時間をいただきありがとうございます。突然で申し訳ないのですが、退職させていただきたいと考えています。営業の仕事を通じて、数字を見て企画を立てる仕事に関わりたいと思うようになり、悩んだうえで決めました。これまで指導していただき、本当にありがとうございました。引き継ぎは最後まできちんと行います。
5-2. 違う業界に移りたい
退職させていただきたく、お時間をいただきました。前から関心のあった福祉の業界で働きたいと考え、転職することに決めました。こちらで学んだことは、次の仕事でも生かしていきたいと思っています。
5-3. 次の会社が決まっている
ご相談ではなく、ご報告になってしまい申し訳ありません。次の勤め先が決まり、退職させていただくことになりました。12月末での退職を希望しています。引き継ぎの進め方について、ご相談させてください。
5-4. 本音は上司と合わない
退職させていただきたいと考えています。別の職種に挑戦したいという気持ちが強くなり、決めました。これまでご指導いただいたことには、感謝しています。
5-5. 本音は給料や待遇
退職させていただきたく、お時間をいただきました。専門性を身につけられる仕事に就きたいと考え、転職を決めました。こちらでの経験を土台に、次の職場で力を伸ばしたいと思っています。
5-6. 本音は残業の多さ
退職させていただきたいと考えています。働き方を見直したいと考え、次の職場を決めました。忙しい時期に申し訳ありませんが、引き継ぎは責任をもって進めます。
5-7. 家庭の事情
家庭の事情で、地元に戻ることになりました。そのため、退職させていただきたいと考えています。急なご報告になり申し訳ありません。
5-8. 理由を詳しく聞かれたとき
詳しくお話しできることが少なく申し訳ないのですが、自分なりに考え抜いて決めたことです。会社に不満があるわけではなく、次にやりたいことができたためです。ご理解いただけますと幸いです。
どの例文も、「決めたこと」をはっきり伝えていることに注目してください。「考えている」「迷っている」と言うと、引き止めの話し合いに入りやすくなります。
6. 言わないほうがよいこと
| 言わないほうがよいこと | 理由 |
|---|---|
| 上司や同僚の悪口 | 最終出社日まで気まずくなる |
| 待遇への不満を細かく | 改善を条件に引き止められやすい |
| 次の会社の名前や条件 | 聞かれても、話す必要はない |
| 「まだ迷っている」 | 引き止めの話し合いが長くなる |
| 会社の将来への不安 | 上司を否定するように聞こえる |
次の会社の名前を聞かれても、答える必要はありません。「入社の手続きが終わるまでは控えさせてください」と伝えれば十分です。
7. 面接での退職理由との違い
| 項目 | 上司に伝える退職理由 | 面接で話す退職理由 |
|---|---|---|
| 目的 | 引き止めの余地がないことを伝える | 次は長く働けると伝える |
| 長さ | 短く、一言で | 経緯と次への意欲まで |
| 中心にすること | もう決めたこと | 次にやりたいことと、その理由 |
上司と面接で話す内容が、大きく食い違わないようにしておくと安心です。どちらも、本音の中の前向きな部分を中心にすれば、自然とそろいます。
8. 伝える前の準備
- 本音の退職理由を書き出す。
- その中から、前向きな部分を一文にまとめる。
- 退職を希望する日を決めておく(就業規則も確かめる)。
- 引き止められたときの返し方を一つ用意する。
- 伝える日時を決め、上司に時間をもらう。
退職の申し出の時期や、退職を拒まれた場合の扱いは、就業規則や法律の定めによって変わります。この記事の説明は一般的な整理であり、個別の判断に迷う場合は専門機関に相談してください。
9. よくある質問
本当の理由を話さないのは、うそになりませんか
本音の中の前向きな部分を伝えるのは、うそではありません。すべての理由を話す義務はなく、円満に退職するために伝え方を選ぶのは自然なことです。
「なぜ相談してくれなかったのか」と言われたら
「自分で考えて決めたかったため」と伝え、相談せずに決めたことを短くおわびしてください。そのうえで、決めたことは変わらないと伝えます。
待遇を改善すると言われたら
感謝を伝えたうえで、「待遇ではなく、やりたい仕事のために決めたことです」と伝えてください。待遇を理由にしていなければ、話は前に進めやすくなります。
退職理由を細かく聞かれ続けたら
「詳しくお話しできることが少なく申し訳ありません」と伝え、決めたことを繰り返してください。理由の説明より、退職日と引き継ぎの話に移るよう促すとよいでしょう。
部署の異動を提案されたら
社内にない仕事を理由にしていれば、断りやすくなります。「異動ではなく、別の仕事に挑戦したい」と伝えてください。
上司ではなく、さらに上の人に伝えてもよいですか
まずは直属の上司に伝えるのが基本です。直属の上司に伝えにくい事情がある場合は、その上の上司や人事に相談しても構いません。
メールで退職理由を伝えてもよいですか
できれば対面か、難しければオンラインで直接伝えるのが基本です。事情があって直接伝えられない場合の伝え方は、別の記事で整理しています。
退職理由で嘘をついて、後で分かったら困りますか
事実と違う理由を伝えると、後で話が合わなくなることがあります。本音の中の前向きな部分を伝える形にすれば、困ることはほとんどありません。
10. まとめ:今夜やる3つのこと
今夜やる3つのこと
① 本音の退職理由を書き出し、前向きな部分を一文にまとめる
② 「もう決めたこと」を伝える言い方を決める
③ 引き止められたときの返し方を一つ用意する
※ 退職の申し出の時期や手続きの説明は一般的な整理です。個別の判断に迷う場合は専門機関で確認してください
上司に伝える退職理由は、短く、前向きに、もう決めたことを伝えるのが基本です。本音の中の前向きな部分を一文にまとめておけば、角を立てずに話を進められます。
この先、読むべき記事
- 退職を言い出せないとき|第二新卒が切り出すまでの手順と台本(切り出し方)
- 退職を引き止められたとき|第二新卒が角を立てずに断る順番と法的な線(引き止めへの返し方)
- 退職の流れ|第二新卒が伝えるところから入社日までにやること全部(退職の全体の流れ)
- 退職前の人事面談で何を話すか|第二新卒が本音とタテマエの線を引く5つの基準(人事面談)
- 退職理由の伝え方|面接で落とされない変換の型と例文12パターン(面接での退職理由)
- 退職の意思をメールで伝えていいか|対面が難しいとき(直接伝えられないとき)
- 退職の進め方まとめ|第二新卒が決める・伝える・引き継ぐ・手続きで迷ったら読む56記事
この記事を書いた人
木戸 悠介(きど ゆうすけ)/なぜキャリア?運営者。1996年生まれ、神戸市出身。
23歳で上場企業子会社に新卒入社し、メディア広告営業を担当。25歳で第二新卒として障がい福祉領域のSaaS企業へ転職し、営業から営業企画へ職種を変えた。2ヶ月で10社に応募し2社から内定。その後スタートアップに3人目の社員として参画し、現在は自分の会社を経営している。