塾講師の自己PR|第二新卒の例文6パターンと教え方を変えた経験の書き方【2026年版】
塾講師を志望する第二新卒の自己PRでよく見るのは「人に教えるのが得意です」「分かりやすい説明を心がけています」という書き出しです。塾講師に合う言葉ですが、このままでは読み手は判断できません。
塾の読み手が探しているのは、相手のつまずきを確かめて、教え方を変え、結果が出た経験です。さらに正社員の場合は、保護者と信頼関係を作る力と、生徒が通い続けるための工夫も見られます。教える力を言葉で書くより、何をして相手がどう変わったかを書くほうが、ずっと説得力があります。
この記事では、自己PRに入れる3つの要素、書ける数字、そのまま使える例文6パターンを整理します。
1. 結論:入れる要素は3つ
| 要素 | 書く内容 | なぜ効くか |
|---|---|---|
| 教え方を変えた経験 | つまずきを確かめて、教え方を変えた | 教える力が具体的に伝わる |
| 相手の不安への対応 | 不安を聞いて、正直に伝えた | 保護者対応を任せられると分かる |
| 続けさせた経験 | 辞めそうな人を続けさせた | 生徒の継続を支えられると分かる |
3番目を書く応募者は多くありません。塾は、生徒が通い続けることで成り立っています。「目標を小さく区切って、辞めたいと言っていた人を最後まで続けさせた」と一文あるだけで、塾の仕事を理解していると伝わります。
2. なぜ「教えるのが得意」では通らないのか
| よくある書き方 | 読み手の反応 |
|---|---|
| 人に教えるのが得意です | 何をどう教えたのか |
| 分かりやすい説明を心がけています | 誰にとって分かりやすいのか |
| 勉強が得意でした | 苦手な生徒に教えられるか |
| 子どもに好かれます | 成績につながるのか |
| 責任感があります | 全員が書いている |
3番目は、学歴に自信がある人ほど書きがちです。自分が勉強できたことは、教える力とは別です。自分がつまずかなかったところでつまずく相手に、どう教えたかを書いてください。
一行で変わる例
×「人に教えることが得意で、分かりやすい説明を心がけてきました」
○「文章題が解けない生徒に、説明の前に問題文を言い直してもらい、文章を式にするところでつまずいていると分かりました。そこだけを繰り返し練習し、次のテストで点数が上がりました」
後者は、確かめた方法、変えた教え方、結果がすべて書かれています。素材が出ないときは自己PRが書けないとき|第二新卒が素材を掘り出す4つの質問を先に回してください。
3. 書ける数字
| 数えるもの | 書き方の例 | 未経験でも書けるか |
|---|---|---|
| 教えた人数と期間 | ◯名を◯年間担当 | 書ける(指導・家庭教師) |
| 点数や成績の変化 | ◯点から◯点へ | 書ける(家庭教師・塾) |
| 覚えるまでの期間の変化 | 教え方を変えて◯週間短縮 | 書ける(新人指導) |
| 続けた人数 | 辞めそうだった◯名が継続 | 書ける(指導・コーチ) |
| 面談や説明の件数 | 月◯件の面談 | 書ける(営業・接客) |
| 作った教材や手順書の数 | ◯件の資料を作成 | 書ける |
| 担当できる科目と学年 | 中学の数学・英語 | 書ける |
2番目と4番目は、塾が最も重視する成績と継続を示す数字です。家庭教師や塾のアルバイトの経験があれば必ず書いてください。経験がない場合は、3番目の新人指導の数字が代わりになります。数字の探し方は職務経歴書に書く数字がないとき|第二新卒が数えられるものを見つける5つの探し方にまとめています。
4. 例文6パターン
例文1:家庭教師から(つまずきを確かめた)
学生時代に2年間、家庭教師として中学生3名に数学と英語を教えていました。方程式の文章題が解けない生徒には、説明の前に問題文を自分の言葉で言い直してもらいました。
計算ではなく、文章を式にするところでつまずいていると分かり、その部分だけを繰り返し練習しました。次の定期テストで数学の点数が上がり、本人が自分から問題を解くようになりました。
説明する前につまずきを確かめる習慣は、一人ひとりに合わせて教える塾の仕事でそのまま活かせると考えています。
例文2:新人の指導から(教え方を変えた)
前職では物流の会社で1年半、新人に作業の手順を教える役割を担い、約10名を指導しました。最初は手順を全部説明していましたが、覚えられない人が多くいました。
一つずつやってもらいながら、つまずいたところだけ説明する形に変えたところ、一人で作業できるまでの期間が短くなりました。つまずきやすい箇所は手順書にまとめ、次の新人の指導に使いました。
相手に合わせて教え方を変える経験を、勉強に苦手意識を持つ生徒を支える仕事で活かしたいと考えています。
例文3:営業から(不安を聞いて正直に伝えた)
前職では住宅設備の営業として1年半、月に約20件の商談を担当していました。お客様の不安を最後まで聞き、できることとできないことを正直に伝えるようにしていました。
できないことを約束しないようにしたことで、契約後も相談してくださるお客様が増えました。説明の資料も、お客様が最初に知りたいことを先に書く形に作り直しました。
相手の不安を聞いて誠実に伝える経験は、保護者の方と信頼関係を作る仕事でそのまま活かせると考えています。
例文4:スポーツの指導から(続けさせた)
学生時代から3年間、地域の少年サッカーのコーチとして、小学生約20名を指導していました。練習についていけず辞めたいと言う子には、できたことを具体的に伝え、目標を小さく区切って取り組みました。
辞めたいと言っていた3名が、最後まで続けることができました。保護者の方には、練習の様子と子どもの変化を定期的に伝えていました。
目標を区切って続けさせる経験と、保護者に様子を伝える経験を、塾で生徒の継続を支える仕事で活かしたいと考えています。
例文5:塾のアルバイトから(授業と点数)
学生時代に2年間、集団指導の塾で中学2年生の数学を担当していました。授業の途中で必ず問いかけを入れ、答えられないところは板書を変えて説明し直していました。
小テストで間違いが多かった単元は、次の授業の最初に5分の復習を入れました。担当した学年の定期テストの平均点が上がり、教室長から保護者面談の同席も任されました。
授業と面談の両方の経験を、正社員として教室全体に責任を持つ仕事で活かしたいと考えています。
例文6:コールセンターから(説明の順番)
前職では問い合わせ窓口で1年半、1日に約50件の電話に対応していました。説明が伝わらないときは、相手がどこで迷っているかを確かめ、順番を変えて説明していました。
よく聞かれる質問は、説明の順番を決めた手順書にまとめ、新しく入った人にも共有しました。
相手の理解を確かめながら説明を変える経験を、生徒の理解度に合わせて教える塾の仕事で活かしたいと考えています。
6つとも、「確かめた」「変えた」「続けさせた」のどれかが入っています。例文をそのまま使うのではなく、自分の経験の数字に差し替えてください。
5. 教え方を変えた経験の書き方
| 書く順番 | 内容 |
|---|---|
| 1 | 誰に、何を教えたか |
| 2 | どこでつまずいていたか |
| 3 | どうやってつまずきを確かめたか |
| 4 | 教え方をどう変えたか |
| 5 | 相手がどう変わったか |
3番目を書ける人は少数です。説明の上手さより、相手の理解を確かめる習慣のほうが、塾の現場では重く見られます。面接での答え方は塾講師の面接|第二新卒が聞かれる想定問答12と模擬授業で見られることにまとめています。
6. 落ちる自己PR5つ
| 型 | なぜ落ちるか | 直し方 |
|---|---|---|
| 「教えるのが得意」だけ | 何をしたか分からない | 教え方を変えた経験を書く |
| 学歴や成績を柱にする | 教える力とは別 | 苦手な相手に教えた経験を書く |
| 子どもに好かれた話だけ | 成績につながるか不明 | 点数や継続の変化を書く |
| 保護者や継続の話がない | 正社員の範囲を分かっていない | 不安を聞いた経験や続けさせた経験を書く |
| 1段落で長文 | 読み飛ばされる | 3段落に分け、1段落目に結論 |
4番目は、正社員の塾講師の書類で特に差がつきます。授業の話だけでなく、保護者との関わりや、生徒が通い続けるための工夫を一文入れてください。書式の整え方は職務経歴書のフォーマット|第二新卒が選ぶべき型と使い分けを参考にしてください。
7. 面接で追撃される3問
| 質問 | 意図 | 答えの方向 |
|---|---|---|
| そのつまずきにはどうやって気づいたのですか | 確かめる習慣 | 問いかけや言い直しの方法を話す |
| 成績が上がらなかった生徒はいましたか | 誠実さ | 原因と、次に変えたこと |
| 保護者に厳しいことを言われたら | 保護者との信頼 | 聞く→現状を正直に→計画を示す |
2番目に「いません」と答えるより、正直に話すほうが評価されます。うまくいかなかった原因を考えて教え方を変えた経験は、教える仕事に最も求められる力の証明になります。
8. 塾の形別の書き分け
| 塾の形 | 前に出す材料 |
|---|---|
| 集団指導の塾 | 授業の進め方と平均点の変化 |
| 個別指導の塾 | つまずきを確かめて教え方を変えた経験 |
| 受験に特化した塾 | 担当できる科目の力と結果 |
| 学校の補習が中心の塾 | 続けさせた経験と習慣づくり |
| 教室の運営を担う募集 | 保護者対応と数字の経験 |
1段落目に置く材料を応募先の形に合わせて入れ替えてください。塾から他の業界に移ることも考えている場合は塾講師から転職|第二新卒が説明する力を職務経歴書に翻訳する5ステップも参考になります。
9. よくある質問
教えた経験がまったくありません
勉強を教えた経験がなくても、新人の指導や、接客や電話で相手に合わせて説明した経験があれば十分に書けます。相手のつまずきを確かめて、説明を変えた場面を探して、相手の変化とあわせて書いてください。
点数の変化を正確に覚えていません
正確な点数が分からない場合は、「次のテストで点数が上がった」「自分から問題を解くようになった」といった変化で構いません。覚えている範囲で目安を添えると伝わりやすくなります。誇張は避けてください。
学歴は書いたほうがよいですか
学歴は履歴書の学歴欄で伝わるため、自己PRで強調する必要はありません。受験に特化した塾では担当できる科目の力が見られるため、科目と学年は書いてください。自己PRの中心は教え方の経験に置きましょう。
保護者と関わった経験がありません
保護者と関わった経験がなくても、営業や接客で相手の不安を聞き、正直に伝えた経験があれば代わりになります。できることとできないことを伝えた場面を書くと、保護者対応を任せられる人だと伝わります。
塾のアルバイトの経験はどう書けばよいですか
担当した学年と科目、授業の工夫、点数の変化を具体的に書いてください。保護者面談への同席や教室の運営の手伝いの経験があれば、正社員の仕事に近い経験として必ず書いてください。
自己PRと志望動機で同じ経験を使ってもよいですか
使って構いません。ただし自己PRではつまずきの確かめ方と結果を、志望動機ではその経験から塾講師を目指した理由を中心に書くと、役割が分かれて読みやすくなります。同じ文章をそのまま繰り返すのは避けてください。
前職の在籍期間が短いのですが
在籍期間が短くても、その中で人に教えた経験や、相手の不安に向き合った経験があれば十分に書けます。期間の短さを説明するより、教え方を変えた場面と相手の変化を書くことに字数を使うほうが、読み手の評価につながります。
職務経歴書と履歴書で同じ内容を使えますか
履歴書の自己PR欄は字数が限られるため、職務経歴書の内容を要約して使います。職務経歴書では例文のように3段落で書き、履歴書では教え方を変えた経験と結果を中心に短くまとめると、内容がずれません。
10. まとめ:今週やる3つのこと
塾講師の自己PRで差がつくのは、教えるのが得意という言葉ではなく教え方を変えた経験・相手の不安への対応・続けさせた経験の3点です。
今週やる3つのこと
① 教え方を変えた場面を「誰に→どこでつまずき→どう確かめ→どう変え→どう変わった」の順で書き出す
② 相手の不安を聞いて正直に伝えた経験を一文加える
③ 辞めそうな人を続けさせた経験があれば一文加える
※ 「人に教えるのが得意です」とは書かない。教え方を変えて相手が変わった経験を書く
継続や保護者との関わりまで書ける応募者は多くありません。一文加えるだけで、正社員の塾講師として読まれる書類になります。
この先、読むべき記事
- 塾講師の面接|第二新卒が聞かれる想定問答12と模擬授業で見られること(書類の次の段階)
- 塾講師の志望動機|未経験・第二新卒の例文5パターンと落ちる書き方(志望動機の作り方)
- 教育・EdTech業界へ転職|第二新卒が「教える」以外の職種を知る(業界の全体像)
- 塾講師から転職|第二新卒が説明する力を職務経歴書に翻訳する5ステップ(その先の道)
- 職務経歴書のフォーマット|第二新卒が選ぶべき型と使い分け(書式の整え方)
- 職務経歴書に書く数字がないとき|第二新卒が数えられるものを見つける5つの探し方(数字の探し方)
- 自己PRの書き方 職種別まとめ|第二新卒が自分の職種の例文を探す(他の職種の例文)
- 教員からの転職の自己PR|第二新卒の例文6パターンと授業・学級運営の言い換え
この記事を書いた人
木戸 悠介(きど ゆうすけ)/なぜキャリア?運営者。1996年生まれ、神戸市出身。
23歳で上場企業子会社に新卒入社し、メディア広告営業を担当。25歳で第二新卒として障がい福祉領域のSaaS企業へ転職し、営業から営業企画へ職種を変えた。2ヶ月で10社に応募し2社から内定。その後スタートアップに3人目の社員として参画し、現在は自分の会社を経営している。