人事の職務経歴書|第二新卒が書類を通す書き方と見本【2026年版】
人事の職務経歴書で多いのは、「人事業務全般を担当」「採用業務に従事」と業務名だけを書く書き方です。人事の仕事は、採用・労務・教育・制度づくりなど範囲が広く、会社によって担当の分け方も違います。業務名だけでは、どこまでの経験があるのかが採用担当に伝わりません。
人事の採用担当が職務経歴書で確かめたいのは、担当した領域と範囲、その領域での数字、仕組みを良くした工夫の3つです。人事は会社の中の人を相手にする仕事なので、成果が数字にしにくいと思われがちですが、実は数えられるものが多くあります。
この記事では、人事の職務経歴書の書き方を欄ごとに整理し、見本とあわせて紹介します。なお、労務や社会保険に関する記述は一般的な整理であり、個別の判断は専門家や公的機関、応募先の説明で確かめてください。
1. 結論:採用担当が見る3つの欄
| 欄 | 書くこと | なぜ見られるか |
|---|---|---|
| 領域と範囲 | 採用・労務・教育のどれを、どこまで担当したか | 入社後に任せられる範囲を判断する |
| 数字 | 採用人数、応募数、手続きの件数、研修の回数 | 経験の量と成果を判断する |
| 仕組みの工夫 | 採用の流れや手続きを見直した経験 | 自分で人事の仕事を良くできるかを判断する |
3つ目の仕組みの工夫を書ける応募者は多くありません。人事は「決められた手続きをこなす仕事」と思われがちですが、採用担当は「仕組みを良くできる人」を求めています。一つでも見直した経験があれば、それだけで評価が上がります。
2. 採用・労務・教育を書き分ける
| 領域 | 主な業務 | 書き方の例 |
|---|---|---|
| 採用 | 求人の作成、応募者との連絡、面接の調整、説明会 | 新卒・中途の採用で、求人の作成から内定者への連絡までを担当 |
| 労務 | 入社・退社の手続き、勤怠の管理、社会保険の手続き | 入社・退社の手続き(年約60件)、勤怠の集計と給与担当への連携 |
| 教育 | 新人研修の準備と運営、研修の記録 | 新人研修(年1回・2週間)の準備と運営の補助 |
| 制度・その他 | 評価の取りまとめ、社内の調査、規程の管理 | 年2回の評価シートの回収と集計 |
担当した領域ごとに分けて書くと、採用担当は自社のどこに配置できるかを考えやすくなります。補助で関わった領域は「補助」と明記してください。
3. 数字の作り方
| 領域 | 数字の例 |
|---|---|
| 採用 | 年間の採用人数 15名(目標15名)、応募数 前年比130%、面接の日程調整 月約40件 |
| 労務 | 入社・退社の手続き 年約60件、勤怠の集計 従業員約200名分 |
| 教育 | 新人研修の参加者 20名、研修後の満足度の調査 平均4.2点(5点満点) |
| 改善 | 内定から入社までの辞退率を20%から10%に改善 |
採用人数は、目標とセットで書いてください。また、応募数や辞退率の変化は、自分の工夫の結果として書ける数字です。
4. 仕組みの工夫の書き方:ビフォーとアフター
ビフォー 「中途採用の業務を担当しました。」
アフター 「中途採用で、内定から入社までの辞退が多いことが課題でした。辞退した方への聞き取りから、入社までの不安が理由と分かったため、内定後に配属先の先輩と話す機会を設ける流れを提案しました。翌年度は辞退率が20%から10%に下がりました。」
課題・原因・行動・結果の順で書くと、人事の採用担当に伝わりやすくなります。
5. 見本①:人事から人事へ
職務要約
株式会社○○(従業員約200名)にて2年間、人事部で中途採用と労務の手続きを担当。採用では求人の作成から面接の調整、内定者への連絡までを行い、2025年度は採用目標15名を達成しました。内定者の辞退を減らすための仕組みを提案し、辞退率を20%から10%に改善しました。
職務経歴
2024年4月〜現在 株式会社○○ 人事部(4名)
・採用:中途採用の求人の作成、応募者との連絡、面接の日程調整(月約40件)、内定者への連絡
・労務:入社・退社の手続き(年約60件)、勤怠の集計と給与担当への連携
・教育:新人研修の準備と運営の補助
・実績:2025年度 中途採用 15名(目標15名)、内定辞退率を20%から10%に改善
・使ったもの:採用管理の仕組み、勤怠管理の仕組み、表計算ソフト
見本の数字や社名は架空のものです。必ず自分の実際の経験に置き換えてください。
6. 見本②:人材紹介の営業から人事へ(他職種から)
職務要約
株式会社○○にて2年間、人材紹介の法人営業として、企業の採用課題の聞き取りと候補者の紹介を担当。2025年度は紹介による入社決定 年18名。多くの企業の採用の進め方を見る中で、自社の中から採用と人の定着に関わりたいと考え、人事職を志望しています。
職務経歴
2024年4月〜現在 株式会社○○ 法人営業部
・対象:従業員50〜500名の企業の人事担当者 約30社
・業務:採用の要件の聞き取り、求人票の作成支援、候補者の推薦、面接の日程調整
・実績:2025年度 入社決定 年18名(目標16名)
・工夫:採用が長引く企業に、求める条件の優先順位を一緒に整理する提案を行い、採用までの期間の短縮に貢献
他職種から人事へ移る場合は、採用や人の育成に関わった経験を前に出すのが基本です。営業でも、後輩の指導や採用面接への同席の経験があれば書いてください。
7. 落ちる書き方5つ
| 落ちる書き方 | 何が問題か | 直し方 |
|---|---|---|
| 「人事業務全般」だけ | 範囲が分からない | 採用・労務・教育に分けて書く |
| 数字が1つもない | 経験の量が分からない | 人数・件数・回数を書く |
| 採用人数だけで目標がない | 成果か分からない | 目標とセットで書く |
| 個人が分かる情報を書く | 情報の扱いが心配される | 人数や割合で表す |
| 工夫が一つもない | 手続きをこなすだけの人に見える | 仕組みを見直した経験を書く |
8. 面接で深掘りされる3か所
| 深掘りされる点 | 聞かれ方の例 | 準備 |
|---|---|---|
| 工夫 | 辞退率が高い原因をどう調べましたか | 聞き取りの方法と分かったこと |
| 情報の扱い | 個人の情報を扱う時に気をつけていることは | 実際に守っていた手順 |
| 社内との関係 | 現場の部署と意見が合わなかった時は | 理由を聞いて調整した経験 |
提出前に見直す5つの点
| 見直す点 | 確かめること |
|---|---|
| 領域 | 採用・労務・教育のどれを担当したかが分かるか |
| 範囲 | 一人でできることと補助を分けて書けているか |
| 数字 | 人数や件数に、目標や期間がセットになっているか |
| 工夫 | 課題・原因・行動・結果の順で書けているか |
| 個人情報 | 社員や応募者が特定できる書き方になっていないか |
5つ目の個人情報の見直しは、人事の職務経歴書では特に大切です。人事は個人の情報を扱う仕事なので、書類の書き方そのものから情報の扱い方が見られています。
9. よくある質問
人事の経験が1年程度でも書けることはありますか
あります。補助の業務でも、担当した領域と件数、工夫したことを具体的に書けば、十分に評価されます。人事は経験の浅い人が任される業務も多く、その中での正確さや工夫が見られています。
採用の目標を達成していない場合はどう書けばよいですか
隠す必要はありません。採用人数と目標をそのまま書き、改善のためにやったことと、その後の変化を添えてください。応募数や面接の通過率など、途中の数字の改善も成果として書けます。
労務の手続きはどこまで書けばよいですか
担当した手続きの種類と件数を書いてください。社会保険の手続きや給与の計算は、自分で行ったのか、補助だったのかを分けて書くことが大切です。
職務経歴書は何枚がよいですか
第二新卒であれば、1〜2枚が目安です。領域ごとに分けて書くと、枚数が増えても読みやすくなります。
他職種から人事へ移る場合、何を書けばよいですか
採用面接への同席、後輩の指導、研修の運営、勤怠の取りまとめなど、人事につながる経験を前に出してください。人材業界の営業の経験は、採用の知識として評価されることが多いです。
使った仕組みやソフトは書いたほうがよいですか
書いてください。採用管理や勤怠管理の仕組み、表計算ソフトで作った集計表などは、入社後にすぐ役立つ経験として評価されます。仕組みの名前が分からない場合は、何をするためのものだったかを書けば十分です。
社員の人数は書いてもよいですか
公開されている範囲であれば書いて構いません。会社の規模によって、人事の仕事の範囲が大きく変わるため、採用担当にとって大切な情報です。
自己PR欄と職務経歴の内容が重なってもよいですか
重なって構いませんが、役割を分けてください。職務経歴には事実と数字を、自己PRにはその経験から見える強みと、応募先での生かし方を書くと、書類全体が読みやすくなります。
10. まとめ:今日やる3つのこと
今日やる3つのこと
① 担当した業務を、採用・労務・教育の領域に分けて書き出す
② 人数・件数・回数を、目標や期間とセットで集める
③ 仕組みを見直した経験を1つ、課題・原因・行動・結果で書く
※ 「人事業務全般」で終わらせない。領域と工夫を必ず書く
仕組みの工夫まで書ける人事の職務経歴書は多くありません。労務や社会保険に関する記述は一般的な整理であり、個別の判断は専門家や公的機関、応募先の説明で確かめてください。
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この記事を書いた人
木戸 悠介(きど ゆうすけ)/なぜキャリア?運営者。1996年生まれ、神戸市出身。
23歳で上場企業子会社に新卒入社し、メディア広告営業を担当。25歳で第二新卒として障がい福祉領域のSaaS企業へ転職し、営業から営業企画へ職種を変えた。2ヶ月で10社に応募し2社から内定。その後スタートアップに3人目の社員として参画し、現在は自分の会社を経営している。