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人事・採用の志望動機|未経験・第二新卒の例文5パターンと落ちる書き方【2026年版】

木戸 悠介 なぜキャリア? 編集長 公開 2026年9月5日 読了 約20分
人事・採用の志望動機|未経験・第二新卒の例文5パターンと落ちる書き方【2026年版】

〜「人に興味があります」「人の成長に関わりたい」で落ちる理由と、代わりに何を書くのか。例文5パターンを全文で置いておきます〜

人事・採用職の志望動機で、最も多い書き出しはこれです。

「人に興味があり、人の成長に関わる仕事がしたいと考えています」

人事の求人は倍率が高く、1つの枠に営業・販売・事務・企画とあらゆる職種から応募が集まります。そのほぼ全員がこの一文を書いています。悪い文ではありませんが、読み手の手元では全員が同じ点数になります。

さらに厳しいのは、人事の採用担当者は職業として書類を読み慣れているということです。営業やエンジニアの面接官より、はるかに多くの応募書類を読んでいます。定型文はすぐに見抜かれます。

この記事では、未経験・第二新卒が人事・採用の志望動機を書くときに何を書けば読まれるのかを、例文5パターンの全文つきで整理します。

1. 結論:志望動機に入れる要素は3つだけ

人事・採用の志望動機に入れる3要素

前職で「人を集める・選ぶ・辞めさせない」のどれかに関わった具体的な場面(=業務の接点)

人事の中でも、採用/労務/制度のどこを志望しているかを区別していること(=職種理解)

その会社の事業計画と、そこから逆算した採用課題を見たうえでの理由(=なぜこの会社なのか)

未経験者が落とすのが②、圧倒的に差がつくのが③です。

書かなくていいのは「人が好き」「傾聴力」「コミュニケーション能力」の3つです。人事の選考では、これらは前提として扱われるため加点になりません。

2. なぜ「人に興味がある」では通らないのか

2-1. 人事は「人が好きな人」を採る部署ではない

人事の実務は、想像より数字と制度の仕事です。

領域主な業務追う数字
採用母集団形成、選考設計、エージェント折衝、内定者フォロー応募数・選考通過率・内定承諾率・採用単価
労務入退社手続き、勤怠管理、社保、就業規則手続きの正確性・遵法性
制度・人材開発評価制度、研修、配置定着率・離職率・エンゲージメント

採用担当の1日は、面接よりも「応募が来ない理由の分析」と「媒体・エージェントの調整」に多くの時間が使われます。ここに触れられている志望動機は、それだけで上位に入ります。

2-2. 「採用は営業に近い」と理解しているか

未経験からの人事転職で最も評価されるのは、実は営業経験です。採用の構造が営業とほぼ同じだからです。

営業採用
リード獲得母集団形成(媒体・スカウト・エージェント)
商談化書類通過・カジュアル面談
提案面接・魅力づけ
クロージング内定承諾
失注分析辞退理由の分析

この対応関係に触れられると、職種理解があると即座に伝わります。営業経験者なら、この構造で前職の経験を翻訳するだけで志望動機の骨格ができます。

2-3. 採用・労務・制度のどこを志望するのか書く

求人票を読むと、必ずどこかに寄っています。「人事全般に関わりたい」と書くと、逆に何もできない人に見えます。

  • 求人票に「中途採用」「新卒採用」「スカウト」→ 採用
  • 「勤怠」「社会保険」「給与計算」→ 労務
  • 「評価制度」「研修」「組織開発」→ 制度・人材開発

第二新卒・未経験で最も入口が広いのは採用です。労務は資格と経験が求められることが多く、制度は経験者採用が中心になります。

3. 実例:私が「辞退の理由」を数えた場面

私は人事の専任ではありませんでしたが、営業マネージャーの下でアルバイト採用を任されていた時期があります。ここでの経験が、そのまま採用の話に翻訳できました。

入社2年目・夏

上司「応募、今月何件来た?」

私「12件です。先月より減ってます」

上司「面接まで来たのは?」

私「……4件です」

上司「8件どこ行った?

私「連絡が取れなくなったのが多くて」

上司「何時間後に連絡してる?」

私「翌営業日にはしてます」

上司「それ、遅い。今週から当日中に電話して。それだけやって数字見て」

当日中の連絡に変えただけで、翌月は12件中9件が面接まで来ました。応募数はほとんど変わっていません。

母集団を増やす前に、来ている応募を落とさないほうが早い。この経験は、採用職の志望動機として非常に強く機能します。「人が好き」ではなく「歩留まりを見た」話だからです。

4. 例文5パターン(全文)

4-1. 前職:法人営業 → 採用担当

前職では中小企業向けの広告商材を担当し、新規開拓から契約まで一人で担当していました。2年目に失注案件を振り返ったところ、初回接触から次回アポまでの日数が3日を超えた案件だけ、成約率が半分以下であることがわかり、初回対応を当日中に行う運用に変えて成約率を改善しました。この経験から、成果は接触の量よりも、既にある接点を落とさないことで大きく変わると考えるようになりました。採用も、母集団形成と選考の歩留まりという同じ構造だと理解しており、営業で身につけた考え方を活かせると考えています。貴社は◯◯領域で事業拡大期にあり、採用の速度が事業の速度を決める局面だと認識し、志望しました。

4-2. 前職:店舗販売・サービス → 採用担当(アルバイト採用経験あり)

前職では飲食店で店舗運営を担当し、アルバイト15名のシフト管理と、店舗のアルバイト採用も任されていました。応募が月12件あるのに面接到達が4件にとどまっていたため、応募から連絡までの時間を翌営業日から当日中に変更したところ、翌月は12件中9件が面接に到達しました。応募数を増やさずに面接数を倍以上にできたことが、採用という仕事への関心の出発点です。採用は人柄の見極めより、応募者を待たせない運用設計で結果が変わると考えており、その設計に本格的に取り組みたいと考えています。貴社は現場職の採用が中心と伺っており、店舗側の事情を理解している点も活かせると考えました。

4-3. 前職:営業事務・アシスタント → 人事(採用アシスタント)

前職では営業アシスタントとして、営業5名分の見積作成・受注処理と、面接日程の調整を兼務していました。日程調整の差し戻しが多かったため、過去半年の調整履歴を確認し、候補日を3つ提示する形式に変えたところ、往復回数が平均4.2回から1.8回に減少しました。候補者の方からの返信も早くなり、日程が合わずに流れるケースがなくなっています。この経験から、採用は候補者の手間をどれだけ減らせるかで結果が変わると考えるようになりました。貴社は採用人数が多く、候補者体験の設計が重要になる規模だと認識しており、実務面から貢献したいと考えています。

4-4. 前職:人材紹介・派遣コーディネーター → 事業会社人事

前職では人材紹介会社で、法人担当として求人企業の要件整理と候補者の推薦を担当していました。推薦した候補者の書類通過率を企業別に集計したところ、求人票の記載と実際の合否基準にずれがある企業ほど通過率が低いことがわかり、要件のヒアリング項目に「絶対条件と歓迎条件の切り分け」を追加して、担当企業の書類通過率を約1.5倍に改善しました。紹介という立場では入社後の定着まで見届けられないことが多く、要件定義から入社後の定着までを一貫して見る側で経験を積みたいと考えています。貴社は◯◯職の採用が中心と伺っており、現場と要件をすり合わせる工程に貢献できると考えました。

4-5. 前職:ITエンジニア・技術職 → 人事(エンジニア採用)

前職ではシステム開発会社で運用保守を担当し、後輩2名の受け入れとOJT設計も任されていました。受け入れのたびに立ち上がりの速度に差が出ていたため、過去の受け入れで最初につまずいた箇所を洗い出し、着任1週目に読む資料を3本に絞って整備したところ、独力でタスクを持てるまでの期間が平均で2週間短縮しました。この経験から、人が力を発揮できるかは本人の資質より受け入れ側の設計に左右されると考えるようになりました。エンジニア採用では、技術要件を現場の言葉のまま候補者に翻訳できるかが歩留まりを左右すると理解しており、開発経験を持つ採用担当として貢献したいと考え志望しました。

5. 志望動機を1時間で作る手順

5-1. 【20分】前職から「人の流れに関わった場面」を掘る

次のどれかに当てはまる経験を探してください。

区分前職での該当例
集める求人掲載、応募対応、アルバイト採用、紹介依頼
選ぶ面接同席、書類確認、配属先の希望聞き取り
育てる・辞めさせない新人OJT、シフト設計、離職者の引き止め、引き継ぎ

1つでも見つかれば、志望動機のブロック①になります。「採用に関わったことがない」という人でも、後輩の受け入れやシフト管理は必ず何かしら経験しています。

5-2. 【20分】応募先の「採用課題」を推測する

見る場所読み取ること
採用サイト・求人一覧今どの職種を何名募集しているか
会社ニュース・プレスリリース直近の資金調達・新規事業・拠点開設
求人票の「募集背景」増員か欠員補充か
口コミサイト離職に関する記述の傾向(鵜呑みにはしない)

「募集職種の数と種類」から、事業がどこに投資しているかを推測してください。ブロック③でそこに触れると、他の応募者と明確に差がつきます。

5-3. 【20分】3ブロックに流し込む

志望動機の型(250〜350字)

ブロック①:前職で人の流れに関わった場面+変えたこと+数字(130字)

ブロック②:そこから採用(または労務・制度)のどこに関心が向いたか(80字)

ブロック③:貴社の事業フェーズと採用課題を踏まえて、なぜここか(100字)

6. 落ちる志望動機の型5つ

NG型具体例なぜ落ちるか
人好き型「人と関わることが好きです」全員が書く。業務の話がない
成長支援型「人の成長に関わりたい」人事=育成という誤解に見える
裏方志向型「表に出るより支える仕事がしたい」採用は対外的な仕事。理解不足に見える
転職体験型「自分の転職活動で救われたので」動機は本物でも、業務理解につながらない
全般型「人事全般に幅広く携わりたい」何をしたいか特定できない

特に注意すべきは裏方志向型です。採用担当は、エージェントとの折衝、候補者への魅力づけ、現場マネージャーとの要件すり合わせと、対外的なコミュニケーションが業務の大半を占めます。「支える側に回りたい」と書くと、業務内容を誤解していると読まれます。

7. 面接で必ず追撃される3問

7-1. 「なぜ人材紹介会社ではなく、事業会社の人事なんですか」

人材業界と併願している場合、必ず聞かれます。

「人材紹介は、多くの企業と候補者に関われる点で魅力があると考えています。ただ、紹介した方が入社後にどう定着したかまで見届けられる機会は限られると理解しています。要件を決める段階から入社後の定着までを一貫して見る側で経験を積みたいと考えて、事業会社の人事を志望しています」

7-2. 「採用がうまくいかないとき、まず何をしますか」

意図は、採用を数字で見られるかの確認です。「媒体を増やす」と即答すると弱くなります。

「どの段階で落ちているかを先に確認します。応募数が足りないのか、応募はあるが書類通過が少ないのか、内定を出しても辞退されるのかで打ち手が違うためです。応募数が足りている場合に媒体を増やしても、コストが増えるだけで改善しません。辞退が多いのであれば、辞退理由を候補者から直接聞くところから始めます」

7-3. 「現場から『こういう人がほしい』と言われたら、どう進めますか」

意図は、現場との関係の作り方です。「言われた通りに探す」も「無理だと突き返す」も不正解です。

「まず、その要件が絶対条件なのか歓迎条件なのかを分けて確認します。前職でも、要件が整理されていない求人ほど書類通過率が低くなる傾向がありました。そのうえで、その条件を満たす人が市場にどのくらいいるかを媒体の検索件数で示して、現場と一緒に優先順位をつけ直す進め方をしたいと考えています」

8. 職務経歴書との書き分け

書類書くこと
職務経歴書担当業務、規模(社数・人数・件数)、使ったツール
志望動機なぜ人事か、なぜこの会社か
自己PR実績1つの、判断と過程

人事職の書類では、「何人・何社・何件を、どのくらいの期間で扱ったか」を必ず数字で入れてください。規模感が伝わらないと比較のしようがありません。書類全体の作り方は第二新卒の職務経歴書テンプレを参照してください。

9. よくある質問

未経験から人事に転職するのは、実際どのくらい難しいですか

職種の中でも倍率は高い部類です。ただし「人事」とひとくくりにせず、採用アシスタント・採用オペレーション・RPO(採用代行)といった入口を含めて見ると、選択肢は広がります。事業拡大期でポジションを増やしている企業ほど、未経験の採用枠が出やすい傾向があります。

人材紹介会社や採用代行から入るルートはありますか

現実的なルートです。人材業界で1〜2年経験を積んでから事業会社の人事に移る流れは一般的で、要件整理・母集団形成・候補者対応の実務がそのまま職務経歴書に書けます。最初から事業会社の人事に絞ると選択肢が狭くなるため、並行して検討する価値があります。

志望動機は何文字が適切ですか

Webフォームなら250〜350字、職務経歴書に書く場合は400字以内が目安です。人事の採用担当は書類を大量に読むため、長文はむしろ不利になります。

自分の転職体験を志望動機に書いてもいいですか

書いても構いませんが、それを主題にしないでください。「自分が救われたので同じことをしたい」で終わると、業務理解がないまま感情で志望していると読まれます。書くなら1文にとどめ、本体は前職の業務経験で構成してください。

労務・給与計算の希望でも、同じ書き方でいいですか

構造は同じですが、労務は「正確性」と「遵法性」が評価軸になるため、ブロック①で選ぶべき経験が変わります。ミスを減らした経験、チェック体制を作った経験、期限を守る仕組みを作った経験を選んでください。資格(社労士・給与計算実務能力検定など)を勉強中であれば、その旨も書いておくと有利です。

「採用目標が未達だったらどうしますか」と聞かれたらどう答えますか

段階で分解して答えてください。「応募数・書類通過数・面接通過数・内定承諾数のどこで落ちているかを確認します。応募数が足りていれば媒体を増やすのではなく、選考の歩留まりか要件のほうを見直します」という順序で答えると、採用を数字で見られる人だと伝わります。

面接で「弊社の採用課題は何だと思いますか」と聞かれたら

推測で構いません。むしろ推測を述べることが求められています。「求人一覧を拝見すると◯◯職の募集が最も多く、かつ長く掲載されているようにお見受けしました。市場で競合が多い職種だと思うので、母集団形成よりも、選考中の魅力づけが課題になっているのではないかと推測しています」といった形が理想です。

第二新卒で在籍期間が短い場合、人事の選考では不利ですか

人事は離職に関する感度が高いため、退職理由の一貫性は他職種より厳しく見られます。ただし、理由が明確で志望動機とつながっていれば問題になりません。整理の仕方は退職を悩む期間を最短化する3つの判断軸を参照してください。

10. まとめ

人事・採用の志望動機は、人柄ではなく採用を数字で見られるかで決まります。

今夜やる3つのこと

① 前職で「集める・選ぶ・辞めさせない」に関わった場面を1つ、3行で書く

② 応募先の求人一覧を開き、募集職種と募集人数をメモして採用課題を推測する

③ 第5章の3ブロックに流し込んで300字にまとめる

②を飛ばした志望動機は、どれだけ丁寧に書いても「人に興味があります」と同じ扱いになります。求人一覧は5分で読めます。必ず開いてください。

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この記事を書いた人

木戸 悠介(きど ゆうすけ)/なぜキャリア?運営者。

23歳で上場企業子会社に新卒入社し、飲食・宿泊・レジャー領域のメディア広告営業を担当。25歳で第二新卒として障がい福祉領域のSaaS企業へ転職し、営業から営業企画へ職種を変えた経験を持つ。2ヶ月で10社に応募し2社から内定。現在は自分の会社を経営している。