教員からの転職の職務経歴書|第二新卒が授業と学級の経験を民間の言葉で書く見本【2026年版】
教員から民間企業に転職する人の職務経歴書で多いのは、「○○中学校にて、国語科の教諭として授業・学級担任を担当」と一行で書く書き方です。学校の中では十分に伝わる書き方でも、民間の採用担当には、どんな仕事を、どんな工夫をしながら進めてきたのかが分かりません。
採用担当が職務経歴書で確かめたいのは、担当してきた仕事の範囲、人に分かりやすく伝えてきた経験、そして多くの人と調整しながら仕事を進めた経験の3つです。授業、学級の運営、校務の分担は、民間の仕事の言葉に言い換えることで、多くの職種で通用する強みになります。
この記事では、教員からの職務経歴書の書き方を欄ごとに整理し、見本とあわせて紹介します。なお、児童・生徒や保護者が分かる情報は、職務経歴書に書かないでください。
1. 結論:採用担当が見る3つの欄
| 欄 | 書くこと | なぜ見られるか |
|---|---|---|
| 仕事の範囲 | 学校の種類、教科、担任の有無、校務の分担 | 仕事の量と責任の大きさを判断する |
| 伝える経験 | 授業の工夫、資料の作成、説明の工夫 | 人に分かりやすく伝えられるかを判断する |
| 調整の経験 | 保護者や同僚、地域との調整、行事の取りまとめ | 多くの人と仕事を進められるかを判断する |
教員の仕事は、授業だけではありません。行事の準備、保護者への連絡、校務の分担など、民間でいう企画や調整、事務の仕事も多く含まれています。これらを書き出すと、経験の幅が伝わります。
2. 授業・学級運営・校務を民間の言葉に直す言い換え表
| 学校での仕事の例 | 民間の言葉への言い換え |
|---|---|
| 授業の準備と実施 | 相手の理解に合わせた資料の作成と説明 |
| 学級の担任 | 約30名のチームの運営と、一人ひとりへの対応 |
| 保護者との面談 | 関係者との面談と、要望の聞き取り |
| 行事の準備 | 催しの企画と、関係者との日程・役割の調整 |
| 校務の分担(成績・時間割など) | 情報の集計と管理、予定の作成 |
| 部活動の顧問 | チームの目標づくりと、活動の計画の管理 |
| 研究授業や研修の発表 | 人前での発表と、改善の提案 |
言い換えるときは、人数や回数を添えてください。「約30名の学級を担任」「年3回の保護者面談」のように数字を入れると、仕事の大きさが民間の採用担当にも伝わります。
3. 使える数字
| 数字の種類 | 書き方の例 |
|---|---|
| 担当の人数 | 学級 約30名、担当の授業 週18コマ |
| 面談や連絡の回数 | 保護者との面談 年約90件 |
| 行事の規模 | 参加者 約400名の行事の運営を担当 |
| 作った資料 | 授業の資料を約50種類作成し、学年で共有 |
| 改善の結果 | 提出物の出し忘れが減った、など(数字は事実の範囲で) |
テストの点数の変化などは、個人が分からない形で、事実の範囲にとどめて書いてください。面接で説明できない数字は書かないことが大切です。
4. 伝える経験・調整の経験の書き方
ビフォー 「生徒一人ひとりに寄り添った指導を心がけました。」
アフター 「授業で理解に差が出やすい単元について、要点を一枚にまとめた資料を作り、学年の教員4名で共有しました。行事の準備では、学年の代表として、教員と保護者の役割分担の表を作り、約400名が参加する行事を予定どおりに運営しました。」
「寄り添った」「熱意を持って」といった言葉より、具体的に何をしたかを書くと、民間の仕事でも同じように動ける人だと伝わります。
5. 見本①:教員から事務職・教育の企業へ
職務要約
公立中学校にて2年間、国語科の教諭として勤務。週18コマの授業と、約30名の学級の担任を担当しました。授業の資料を作成して学年で共有したほか、行事の役割分担の表を作り、約400名が参加する行事の運営を担いました。分かりやすく伝える力と、多くの人と調整する力を生かしたいと考えています。
職務経歴
2024年4月〜現在 ○○市立○○中学校 教諭(国語科)
・業務:授業(週18コマ)、学級の担任(約30名)、保護者との面談(年約90件)
・校務:成績の集計と管理、学年の行事の担当
・工夫:授業の資料を作成し、学年の教員4名で共有
・使ったもの:文書作成のソフト、表計算のソフト、発表のソフト
見本の数字は架空のものです。必ず自分の実際の経験に置き換えてください。
6. 見本②:教員から営業職へ
職務要約
私立高校にて3年間、数学科の教諭として勤務。授業と学級の担任のほか、学校の説明会で、中学生と保護者への説明を担当しました。相手の関心に合わせて話の順番を変える工夫をしてきた経験を生かし、お客様の話を聞いて提案する営業の仕事に挑戦したいと考えています。
職務経歴
2023年4月〜現在 学校法人○○ ○○高等学校 教諭(数学科)
・業務:授業(週16コマ)、学級の担任(約35名)
・広報:学校の説明会での説明(年8回、1回あたり約50組)
・工夫:参加者の質問を記録し、次の説明会の話の順番を見直した
営業職に応募する場合は、説明会や保護者面談など、相手の関心を聞いて話した経験を前に出すと、営業への近さが伝わります。
7. 落ちる書き方5つ
| 落ちる書き方 | 何が問題か | 直し方 |
|---|---|---|
| 学校名と教科だけを書く | 仕事の範囲が分からない | 担任、校務、人数を書く |
| 学校の中の言葉のまま書く | 採用担当に伝わらない | 言い換え表を使って直す |
| 「生徒に寄り添った」だけ | 工夫が見えない | 具体的な行動を書く |
| 児童・生徒が分かる話を書く | 情報の扱いが心配される | 個人が分からない形にする |
| 学校への不満から書く | 前向きさが伝わらない | 民間で実現したいことから書く |
8. 面接で深掘りされる3か所
| 深掘りされる点 | 聞かれ方の例 | 準備 |
|---|---|---|
| 辞める理由 | なぜ教員を辞めるのですか | 学んだことと、民間で実現したいこと |
| 民間の働き方 | 売上や数字を追う仕事に抵抗はありませんか | 目標に向けて工夫した経験 |
| 具体的な経験 | 行事の運営で大変だったことは | 調整して乗り越えた流れ |
提出前に見直す5つの点
- 学校の中の言葉を、民間の言葉に直せているか。
- 担当の人数や回数などの数字を入れているか。
- 伝える経験と調整の経験を、具体的な行動で書けているか。
- 児童・生徒や保護者が分かる情報を書いていないか。
- 学校への不満から書いていないか。
心や体の疲れが理由で学校を離れる場合は、書類の準備より先に休むことを優先してください。つらさが続くときは、医療機関や相談の窓口に相談することをおすすめします。
よくある思い込みと実際
| 思い込み | 実際 |
|---|---|
| 教員の経験は教育の仕事でしか使えない | 言い換えれば、事務や営業、企画など多くの職種で強みになる |
| 授業の話だけを書けばよい | 校務や行事の運営など、調整の経験も大きな材料になる |
| 数字がないので書けない | 担当の人数や面談の回数など、仕事の量を示す数字で示せる |
9. よくある質問
教員の経験は民間で評価されますか
言い換えて書けば評価されます。分かりやすく伝える力、多くの人と調整する力、計画を立てて進める力は、多くの職種で求められています。
講師(非常勤・常勤)の経験はどう書けばよいですか
雇用の形と期間を正確に書いてください。担当した授業や校務を具体的に書けば、教諭と同じように経験の中身は伝わります。
年度の途中で辞めることは不利ですか
辞める時期より、引き継ぎをどう考えているかが見られます。面接では、引き継ぎへの配慮も含めて前向きに話してください。
教員の免許は書いたほうがよいですか
書いてください。職務経歴書の最後に「資格」の欄を作り、正式な名前と取得の年月を書くと、履歴書とそろいます。
職務経歴書は何枚がよいですか
1〜2枚が目安です。経験が短い第二新卒であれば、1枚にまとめても十分に伝わります。
パソコンの経験はどう書けばよいですか
文書作成や表計算のソフトで何をしていたか(成績の集計、資料の作成など)を具体的に書いてください。
部活動の顧問の経験は書いたほうがよいですか
書いて構いません。チームの目標づくりや活動の計画の管理として言い換えると、民間の採用担当にも伝わります。
自己PR欄と職務経歴の内容が重なってもよいですか
重なっても構いませんが、職務経歴では事実を、自己PR欄では身につけた力と入社後の生かし方を中心に書き分けてください。
10. まとめ:今日やる3つのこと
今日やる3つのこと
① 授業・学級・校務の仕事を書き出し、言い換え表で民間の言葉に直す
② 担当の人数や回数など、数字を一つずつ添える
③ 児童・生徒や保護者が分かる情報が入っていないかを確かめる
教員からの職務経歴書は、仕事の範囲・伝える経験・調整の経験を、民間の言葉と数字で書くと伝わります。
この先、読むべき記事
- 職務経歴書の書き方 職種別まとめ|第二新卒が自分の職種の見本を探す(職種別の職務経歴書)
- 教員からの転職の自己PR|第二新卒の例文6パターンと授業・学級運営の言い換え(教員からの自己PR)
- 教員から民間企業へ転職|第二新卒が授業以外の経験を武器に変える5ステップ(教員からの転職)
- 職務経歴書の言い換え集|第二新卒があいまいな表現を具体的に直す40例(経験の言い換え)
- 未経験職種向けの職務経歴書|第二新卒が書く順番を変えて通す型(未経験職種向けの職務経歴書)
- 塾講師の自己PR|第二新卒の例文6パターンと教え方を変えた経験の書き方(塾講師の自己PR)
この記事を書いた人
木戸 悠介(きど ゆうすけ)/なぜキャリア?運営者。1996年生まれ、神戸市出身。
23歳で上場企業子会社に新卒入社し、メディア広告営業を担当。25歳で第二新卒として障がい福祉領域のSaaS企業へ転職し、営業から営業企画へ職種を変えた。2ヶ月で10社に応募し2社から内定。その後スタートアップに3人目の社員として参画し、現在は自分の会社を経営している。