経理の職務経歴書|第二新卒が書類を通す書き方と見本【2026年版】
経理の職務経歴書で多いのは、「経理業務全般を担当」と1行で済ませる書き方です。採用担当から見ると、どこまでの業務を一人でできるのかが分かりません。経理の仕事は、日々の仕訳から月次の締め、年次の決算まで段階があり、どこまで経験しているかで任せられる仕事が大きく変わるからです。
経理の採用担当が職務経歴書で確かめたいのは、担当した業務の範囲(日次・月次・年次のどこまでか)、会社の規模と取引の量、使える会計ソフトと簿記の知識の3つです。第二新卒で経験が1〜3年でも、この3つが具体的に書けていれば、書類は十分に通ります。
この記事では、経理の職務経歴書の書き方を欄ごとに整理し、見本とあわせて紹介します。なお、会計や税務の業務に関する記述は一般的な整理であり、個別の判断は専門家や応募先の説明で確かめてください。
1. 結論:採用担当が見る3つの欄
| 欄 | 書くこと | なぜ見られるか |
|---|---|---|
| 業務の範囲 | 日次・月次・年次のどこまでを担当したか | 入社後に任せられる範囲を判断する |
| 会社の規模と量 | 売上規模、従業員数、仕訳や請求の件数 | 経験の大きさを判断する |
| 会計ソフトと簿記 | 使ったソフト、簿記の級、勉強中の内容 | 教える手間を判断する |
1つ目の業務の範囲を、日次・月次・年次に分けて書ける応募者は多くありません。分けて書くだけで、採用担当は「どこから任せられるか」を一目で判断でき、書類の通りやすさが変わります。
2. 業務の範囲を日次・月次・年次で書き分ける
| 区分 | 主な業務 | 書き方の例 |
|---|---|---|
| 日次 | 仕訳の入力、経費の精算、入出金の管理 | 経費精算の確認と仕訳の入力(月約200件) |
| 月次 | 売掛金・買掛金の管理、請求書の発行、月次の締め | 取引先約80社の売掛金の消し込み、月次の締めの補助 |
| 年次 | 決算の補助、年末調整の補助、固定資産の管理 | 決算の資料作成の補助(先輩の指示のもとで) |
「補助」で関わった業務も、正直に書いて構いません。一人でできることと、補助で経験したことを分けて書くと、採用担当が正しく判断できます。
3. 会社の規模と量の書き方
| 項目 | 書き方の例 |
|---|---|
| 会社の規模 | 従業員約150名、年商約30億円の部品メーカー |
| 経理の体制 | 経理部4名(課長1名、担当3名) |
| 取引の量 | 仕訳 月約800件、請求書の発行 月約120件 |
| 期限 | 月次の締めを毎月5営業日以内に完了 |
経理の体制の人数は、意外と大事な情報です。少人数の経理部で幅広く担当していた人と、大人数で一部を担当していた人では、経験の中身が違うからです。
4. 会計ソフトと簿記の書き方
| 項目 | 悪い書き方 | 良い書き方 |
|---|---|---|
| 会計ソフト | 会計ソフト使用 | 市販の会計ソフト(クラウド型)で仕訳の入力、月次の試算表の出力 |
| 表計算 | エクセル使用可 | エクセル(VLOOKUP、ピボットテーブル)で売掛金の管理表を作成 |
| 簿記 | 簿記勉強中 | 日商簿記2級 2026年11月受験予定(3級は2025年取得) |
勉強中の資格は、受験の予定まで書くと意欲が伝わります。ただし、事実と違うことは書かないでください。面接で進み具合を聞かれることがあります。
5. 見本①:経理から経理へ
職務要約
株式会社○○(従業員約150名の部品メーカー)にて2年間、経理担当として日次・月次の業務を担当。仕訳の入力、経費の精算、売掛金・買掛金の管理を一人で行い、月次の締めと決算の資料作成の補助も経験しました。日商簿記3級を取得し、現在2級の勉強中です。
職務経歴
2024年4月〜現在 株式会社○○ 経理部(4名)
・日次:経費精算の確認と仕訳の入力(月約200件)、入出金の管理
・月次:取引先約80社の売掛金の消し込み、買掛金の支払いの準備、請求書の発行(月約120件)、月次の締めの補助
・年次:決算の資料作成の補助、年末調整の書類の回収と確認
・改善:売掛金の消し込みをエクセルの管理表で行う方法に見直し、月末の作業時間を約半日短縮しました
使えるソフト・資格
会計ソフト(クラウド型)、エクセル(VLOOKUP、ピボットテーブル)、日商簿記3級(2025年取得)、2級勉強中
見本の数字や社名は架空のものです。必ず自分の実際の経験に置き換えてください。
6. 見本②:営業事務から経理へ(未経験)
職務要約
株式会社○○にて2年間、営業事務として受発注と請求書の発行を担当。請求の数字を正確に扱う中で経理の仕事に関心を持ち、日商簿記3級を取得しました。数字を正確に扱ってきた経験を生かし、経理職に挑戦したいと考えています。
職務経歴
2024年4月〜現在 株式会社○○ 営業部 営業事務
・受発注:販売管理システムへの注文入力(1日平均80件)
・請求:請求書の発行(月約300件)、入金の確認と営業担当への連絡
・改善:入金の確認を一覧表で管理する方法に変え、入金の遅れへの連絡を早められるようにしました
使えるソフト・資格
エクセル(VLOOKUP、IF、ピボットテーブル)、販売管理システム、日商簿記3級(2025年取得)
未経験から経理へ移る場合は、前職で数字やお金に関わった作業を前に出すのが基本です。請求、入金の確認、経費の精算、売上の集計などは、経理につながる経験として読まれます。
7. 落ちる書き方5つ
| 落ちる書き方 | 何が問題か | 直し方 |
|---|---|---|
| 「経理業務全般」の1行だけ | 範囲が分からない | 日次・月次・年次に分けて書く |
| 補助の業務を一人でやったように書く | 入社後にすぐ分かり、信頼を失う | 一人でできることと補助を分ける |
| 会社の規模や量がない | 経験の大きさが分からない | 従業員数、仕訳の件数などを書く |
| 「簿記勉強中」だけ | 本気度が分からない | 級と受験の予定を書く |
| 改善の経験がない | 指示待ちの人に見える | 手順を見直した経験を一つ書く |
8. 面接で深掘りされる3か所
| 深掘りされる点 | 聞かれ方の例 | 準備 |
|---|---|---|
| 業務の範囲 | 月次の締めでは、具体的に何を担当していましたか | 自分の担当と補助の範囲 |
| 数字が合わない時 | 残高が合わない時、どう調べますか | 実際に調べた手順 |
| 簿記の勉強 | 今、どこまで進んでいますか | 進み具合と受験の予定 |
9. よくある質問
経理の経験が1年程度でも書けることはありますか
あります。日次の業務だけでも、仕訳や経費の精算の件数、正確さを保つための工夫などを具体的に書けば、十分に評価されます。月次や年次の業務に補助で関わった経験があれば、それも書いてください。
決算の経験がないと不利ですか
第二新卒であれば、決算の経験がないことは珍しくありません。日次・月次の業務を正確にこなしてきたことを具体的に書き、決算に関わりたい意欲を自己PRで伝えれば十分です。
簿記の資格がないと応募できませんか
資格がなくても応募できる求人はあります。ただし、経理職では簿記の知識が求められることが多いため、勉強を始めている場合は、その状況を書くと意欲が伝わります。
職務経歴書は何枚がよいですか
第二新卒であれば、1〜2枚が目安です。業務の範囲を日次・月次・年次に分け、使えるソフトと資格の欄を分けると読みやすくなります。
会社の売上の数字を書いてもよいですか
公開されている数字であれば書いて構いません。公開していない数字の場合は、従業員数や業種など、規模が分かる別の情報で表してください。守秘義務に反しない範囲で書くことが大切です。
会計事務所で働いていた場合はどう書けばよいですか
担当した顧客の数と業種、記帳の代行や決算の補助など担当した業務を書いてください。複数の会社の帳簿を扱った経験は、事業会社の経理でも評価されることがあります。
未経験から経理に応募する場合も同じ書き方でよいですか
基本は同じですが、前職で数字やお金に関わった作業を前に出してください。請求書の発行、入金の確認、経費の精算、売上の集計など、経理につながる作業を具体的に書くと、未経験でも評価されます。
自己PR欄と職務経歴の内容が重なってもよいですか
重なって構いませんが、役割を分けてください。職務経歴には事実と数字を、自己PRにはその経験から見える強みと、応募先での生かし方を書くと、書類全体が読みやすくなります。
10. まとめ:今日やる3つのこと
今日やる3つのこと
① 担当した業務を、日次・月次・年次に分けて書き出す
② 会社の規模、経理の体制の人数、仕訳や請求の件数を集める
③ 会計ソフトと簿記の状況を、作った資料や受験の予定とセットで書く
※ 「経理業務全般」で終わらせない。一人でできることと補助を分けて書く
業務の範囲を分けて書ける経理の職務経歴書は多くありません。会計や税務の業務に関する記述は一般的な整理であり、個別の判断は専門家や応募先の説明で確かめてください。
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この記事を書いた人
木戸 悠介(きど ゆうすけ)/なぜキャリア?運営者。1996年生まれ、神戸市出身。
23歳で上場企業子会社に新卒入社し、メディア広告営業を担当。25歳で第二新卒として障がい福祉領域のSaaS企業へ転職し、営業から営業企画へ職種を変えた。2ヶ月で10社に応募し2社から内定。その後スタートアップに3人目の社員として参画し、現在は自分の会社を経営している。