設計書の書き方|第二新卒エンジニアが読み手に伝わる書き方の型を整理する【2026年版】
エンジニアとして働き始めると、設計書を書く仕事を任されることがあります。プログラムを書くのは慣れてきたのに、文章で説明しようとすると何から書けばよいか分からない、という人も多いはずです。
設計書は、自分以外の人が読んで、同じものを作れるようにするための文書です。上手な文章である必要はありません。読み手が迷わないよう、決まった型に沿って書けば十分です。
この記事では、設計書の種類、書く前に確かめること、書き方の型、図と表の使い方、レビューを受けるときのポイントを整理します。
1. 結論:「目的・前提・やること・確かめ方」を型で書く
| 書くこと | 内容 |
|---|---|
| 目的 | 何のために、何を作るのか |
| 前提 | 決まっていること、決まっていないこと |
| やること | どう作るか、どこを変えるか |
| 確かめ方 | できたかどうかを、どう確かめるか |
一番大切なのは、最初に目的を書くことです。目的が分かれば、読み手は細かな部分も理解しやすくなります。
2. 設計書の種類
| 種類 | 主に書くこと | 主な読み手 |
|---|---|---|
| 基本設計 | 何を作るか、画面や機能の全体 | お客様、企画の担当、開発の全員 |
| 詳細設計 | どう作るか、処理の流れや細かな決まり | 開発の担当 |
| テストの設計 | 何を、どう確かめるか | 開発とテストの担当 |
| 変更の設計 | 今ある仕組みのどこを、どう変えるか | 開発の担当、レビューする人 |
呼び方や書き方は、職場によって違います。まず職場の過去の設計書を読み、型をまねするところから始めるのが近道です。評判の良い設計書がどれか、先輩に聞いて読んでみるのもおすすめです。
3. 書く前に確かめること
| 確かめること | 理由 |
|---|---|
| 誰が読むのか | 読み手によって、書く細かさが変わる |
| 職場の型(ひな形) | 決まった型があれば、それに沿って書く |
| 過去の似た設計書 | 書き方や細かさの目安になる |
| 決まっていないこと | 先に確かめるか、前提として書く |
| いつまでに書くか | レビューの時間も含めて予定を立てる |
4. 書き方の型
(変更の設計書の例・架空)
1. 目的:検索の画面で、日付で絞り込めるようにする
2. 前提:日付は「登録日」で絞り込む。範囲の指定は開始日と終了日の両方を必須とする
3. 変更する所:検索の画面、検索の処理、データの取り出し方
4. 処理の流れ:①画面で日付を受け取る ②日付の形を確かめる ③条件に加えて検索する
5. 確かめ方:開始日と終了日の組み合わせを表にして確かめる
6. 決まっていないこと:日付の上限を設けるかどうか(〇〇さんに確認中)
「決まっていないこと」を書いておくと、レビューで話し合うべき点がはっきりします。決まっていないことを隠して書くと、後で手戻りが起きやすくなります。
5. 図と表の使い方
| 伝えたいこと | 向いている形 |
|---|---|
| 処理の順番 | 番号つきの手順、流れ図 |
| 条件ごとの動き | 表(条件と結果を並べる) |
| 画面の見た目 | 画面の絵や、画面の写し |
| データの項目 | 表(項目名・型・必須かどうか) |
条件が多い処理は、文章で書くより表にするほうが伝わります。「Aの場合は〜、Bの場合は〜」と文章が続くときは、表にできないか考えてください。
提出する前に確かめる5つの点
- 最初に目的が書いてあるか。
- 決まっていないことを、前提や確認中として書いたか。
- 条件が多い所を、表にしたか。
- 自分以外の人が読んで分かる言葉になっているか。
- 確かめ方まで書いてあるか。
6. レビューを受けるときのポイント
- 提出するときに、特に見てほしい所を伝える。
- 決まっていないことを、先に伝える。
- 指摘されたことは、メモに残してすべて直す。
- 分からない指摘は、その場で理由を聞く。
- 直した後に、どこをどう直したかを伝える。
(例)設計書のレビューをお願いします。特に、日付の上限の扱いについてご意見をいただきたいです。上限は〇〇さんに確認中で、決まり次第書き足します。
見てほしい所を伝えると、レビューする人も時間を使いやすくなります。指摘をもらったら、直した内容を一覧にして返すと、確認する人の手間が減ります。
7. よくある直されどころ
| 直されどころ | 直し方 |
|---|---|
| 目的が書いていない | 最初の一文に目的を書く |
| 言葉の使い方がばらばら | 同じものは同じ言葉で書く |
| 例外の場合が書いていない | うまくいかない場合の動きを書く |
| 自分にしか分からない略語 | 正式な名前か、説明を添える |
| 確かめ方がない | 何をどう確かめるかを書く |
「うまくいかない場合」の書き漏れは、レビューで特によく指摘されます。入力が空だったら、形が違ったら、と考えて書き足してください。よくある直されどころを自分用の一覧にしておき、提出の前に見直すと、同じ指摘を受けにくくなります。
8. よくある思い込みと実際
| 思い込み | 実際 |
|---|---|
| 文章が上手でないと書けない | 型に沿って書けば十分に伝わる |
| 細かく書くほど良い | 読み手に合った細かさが大切 |
| 決まっていないことは書かない | 確認中として書くほうが、手戻りを防げる |
| レビューで指摘されるのは悪いこと | 指摘は設計書を良くするための材料 |
読み手に合わせた細かさの目安
| 読み手 | 細かさの目安 |
|---|---|
| お客様・企画の担当 | 専門の言葉を減らし、何ができるようになるかを中心に |
| 同じチームの開発の担当 | 処理の流れと、変更する所をはっきり |
| 後から引き継ぐ人 | なぜその作り方にしたのか、理由も残す |
「なぜその作り方にしたのか」を一言残しておくと、後から読む人がとても助かります。半年後の自分が読み返したときにも、理由が分かれば迷わずに済みます。
書き始める前の15分の準備
- 目的を一文で書く(3分)。
- 職場の過去の似た設計書を開く(3分)。
- 決まっていることと、決まっていないことを書き出す(5分)。
- 決まっていないことを、誰に確かめるか決める(4分)。
9. よくある質問
何から書き始めればよいか分かりません
まず目的を一文で書いてください。「何のために、何を作るか」が書ければ、半分は終わったようなものです。次に、職場の過去の似た設計書を開き、同じ型で項目を埋めていくと進めやすくなります。
どのくらい細かく書けばよいですか
読み手によって違います。誰が読むのかを確かめ、過去の設計書の細かさを目安にしてください。迷ったら先輩に聞くのが早いです。書きすぎた部分は、レビューで削ればよいので、最初は少し多めに書いても構いません。
職場に設計書の型がありません
この記事の型(目的・前提・やること・確かめ方)を使って書き、レビューのときに「この書き方でよいか」も確かめてください。
図を描く道具は何を使えばよいですか
職場で決まった道具があれば、それを使ってください。迷う場合は、先輩が使っている道具に合わせると安心です。手書きの図を写真にして貼るだけでも、伝わることがあります。
設計書を書く時間がありません
書く時間とレビューの時間を、作業の見積もりに入れておくことが大切です。後から書くより、作る前に書くほうが、手戻りが少なくなります。
レビューで多くの指摘を受けて落ち込みました
指摘が多いのは、設計書が良くなる材料が多いということです。指摘をメモにまとめ、次の設計書で同じ指摘を受けないよう生かしてください。
プログラムを書いた後に設計書を書いてもよいですか
職場の進め方によりますが、作る前に書くほうが、考え漏れに早く気づけます。後から書く場合も、目的と確かめ方は必ず書いてください。
面接で設計書について聞かれたら
どんな設計書を、誰に向けて書いたか、レビューでどう直したかを話してください。読み手を考えて書いていることが伝わります。
10. まとめ:次の設計書でやる3つのこと
次の設計書でやる3つのこと
① 最初に目的を一文で書く
② 決まっていないことを、確認中として書いておく
③ 条件が多い所は表にし、確かめ方まで書く
※ 設計書の型や呼び方は職場によって違うため、職場の決まりに合わせてください
設計書は、自分以外の人が同じものを作れるようにするための文書です。型に沿って、読み手が迷わない書き方を心がけてください。
この先、読むべき記事
- ITエンジニア転職まとめ|第二新卒が未経験から職種選び・SES・入社後まで迷ったら読む79記事(エンジニアの転職の全体像)
- 仕様書・設計書の読み方|未経験エンジニアが実装前に確かめる6つの観点(仕様書の読み方)
- コードレビューの受け方|第二新卒が指摘から伸びるための3つの姿勢(コードレビュー)
- エンジニアの1日の流れ|入社前に知っておくこと(エンジニアの仕事の流れ)
- テクニカルライターという職種|第二新卒が知る仕事の実際(技術文書を書く仕事)
- エンジニアの作業の見積もり方|第二新卒が外さない時間の出し方と伝え方(作業の見積もり方)
この記事を書いた人
木戸 悠介(きど ゆうすけ)/なぜキャリア?運営者。1996年生まれ、神戸市出身。
23歳で上場企業子会社に新卒入社し、メディア広告営業を担当。25歳で第二新卒として障がい福祉領域のSaaS企業へ転職し、営業から営業企画へ職種を変えた。2ヶ月で10社に応募し2社から内定。その後スタートアップに3人目の社員として参画し、現在は自分の会社を経営している。