求人票の年収例・モデル年収の読み方|第二新卒が自分の年収を見誤らない方法【2026年版】
求人票に「年収例:550万円(入社5年目・主任)」のような記載があると、自分もその年収がもらえるように感じてしまいます。ところが、年収例はある条件の人の一例であり、入社してすぐの自分の年収とは違うことがほとんどです。
年収例は、入社後にどのくらい年収が上がっていくかを考える手がかりになる情報です。誰の、どんな条件の年収なのかを読み取ることで、自分の年収の目安と、将来の見通しの両方を考えられます。
この記事では、年収例の読み方、自分に当てはまるかの確かめ方、入社1年目の年収の考え方を整理します。なお、ここで扱うのは一般的な整理です。実際の年収は会社や個人の評価によって違うため、応募先で確かめてください。
1. 結論:年収例は「誰の、どんな条件か」を読む
| 確かめること | 内容 |
|---|---|
| 入社何年目か | 入社してすぐか、何年か働いた人か |
| 役職 | 役職についている人の例か |
| 含まれているもの | 賞与、残業代、手当が含まれているか |
| 中途か新卒か | 中途入社の人の例か、新卒から働く人の例か |
年収例は、条件の良い人の例が載っていることも多いと考えておいてください。自分が入社1年目にもらえる年収は、別に確かめる必要があります。
2. 年収例のよくある書き方
| 書き方の例(架空) | 読み取れること |
|---|---|
| 年収550万円(入社5年目・主任) | 5年働いて役職についた人の例 |
| 年収420万円(中途入社2年目) | 中途で入って2年目の人の例 |
| 年収380万円(月給25万円+賞与) | 月給と賞与から計算した例 |
| 年収400万円(残業月20時間を含む) | 残業代を含めた例 |
「残業代を含む」と書いてある年収例は、残業が少ない月には下がる可能性があります。どのくらいの残業を前提にしているかを確かめてください。
3. 自分に当てはまるかの確かめ方
| 問い | 考え方 |
|---|---|
| 同じ職種か | 応募する職種と同じ人の例か |
| 同じくらいの経験か | 自分と同じくらいの経験で入った人の例か |
| 何年後の例か | 入社してすぐか、数年後の例か |
| 残業や手当の前提 | 自分も同じように残業や手当があるか |
年収例が自分と条件が違う場合は、「数年後の目標」として見るのがおすすめです。今の自分の年収の目安は、求人票の月給から考えるほうが確実です。
4. 月給から年収を考える手順
- 求人票の月給を確かめる(手当が含まれているかも確かめる)。
- 月給×12か月で、1年分の月給を出す。
- 賞与の目安を足す(入社1年目の扱いも確かめる)。
- 残業代が別に出る場合は、見込みの残業時間から目安を考える。
- 出した金額を「目安」として、面談や面接で確かめる。
(例・架空)月給25万円、賞与は基本給20万円の4か月分(入社1年目は半分ほどの見込み)の場合、1年目の目安は25万円×12か月+40万円ほど=約340万円です。2年目以降、賞与が満額出れば約380万円の目安になります。
入社1年目は、賞与が少なめになることがあるため、年収も低めになりやすいです。2年目以降の目安と分けて考えると、見通しが立てやすくなります。
5. 入社1年目の年収の考え方
| 考えること | 理由 |
|---|---|
| 賞与の扱い | 最初の賞与が少ない、または出ないことがある |
| 入社の時期 | 年の途中で入ると、1年目の年収は少なくなる |
| 試用期間の条件 | 試用期間中の給与が違う会社もある |
| 前の会社との比較 | 前の会社の年収と、1年目・2年目で比べる |
前の会社の年収と比べるときは、1年目だけで判断しないことが大切です。2年目以降の見通しも含めて考えてください。1年目は少し下がっても、2年目以降に上がる見込みがあれば、長い目で見て良い選択になることもあります。
応募前に確かめる5つの点
- 年収例が、入社何年目・どの役職の人の例か。
- 年収例に、賞与・残業代・手当が含まれているか。
- 月給から考えた、入社1年目の年収の目安はいくらか。
- 2年目以降の目安はいくらか。
- 年収の上がり方(評価や昇給の仕組み)はどうか。
6. 確かめる質問の仕方
(面談や面接での例)求人票の年収例は入社5年目の方の例と伺いましたが、私のような経験で入社した場合、1年目の年収はどのくらいになるのでしょうか。また、その後どのように上がっていくのか教えていただけますか。
年収の上がり方を聞くと、入社後の働き方を考えていることが伝わります。「どんなことができるようになると、年収が上がっていきますか」と聞くと、評価の基準も分かり、入社後の目標を立てやすくなります。評価や昇給の仕組みは、評価制度の見方の記事も参考にしてください。
7. よくある思い込みと実際
| 思い込み | 実際 |
|---|---|
| 年収例の額が入社後すぐもらえる | 数年働いた人や、役職者の例であることが多い |
| 年収例は平均の年収 | 条件の良い人の例であることもある |
| 年収は月給×12で分かる | 賞与や残業代で大きく変わる |
| 1年目の年収で比べればよい | 2年目以降の見通しも含めて比べる |
8. 内定後に確かめる書類
| 書類 | 確かめること |
|---|---|
| 労働条件通知書 | 月給の内訳、賞与、残業代の扱い |
| 内定の通知や条件の書面 | 提示された年収の目安と、その前提 |
内定時に年収の目安が示された場合は、何が含まれている金額かを確かめてください。賞与の実績や残業代が含まれているかで、実際の金額は変わります。
2社の年収を比べるときの表
| 項目 | A社(例・架空) | B社(例・架空) |
|---|---|---|
| 求人票の年収例 | 550万円(5年目・主任) | 420万円(中途2年目) |
| 月給 | 24万円 | 26万円 |
| 入社1年目の目安 | 約330万円 | 約370万円 |
| 年収の上がり方 | 評価で毎年見直し | 役職で大きく変わる |
年収例だけを比べると、A社のほうが良く見えます。ところが、入社1年目の目安で比べると、B社のほうが高いこともあります。年収例と、自分の1年目の目安を分けて比べることが大切です。
年収の上がり方を知る手がかり
- 求人票の「昇給」の欄を読む(年1回など)。
- 評価制度の説明を読む。
- 面談や面接で、入社後数年の年収の上がり方の例を聞く。
9. よくある質問
年収例の額を目安にして年収交渉をしてもよいですか
年収例は条件の違う人の例であることが多いので、そのまま目安にするのは避けたほうが無難です。自分の経験や前の会社の年収をもとに、根拠を添えて伝えてください。
年収例が複数書いてある場合は
自分の経験や職種に一番近い例を探してください。それでも条件が違う場合は、面談や面接で確かめます。複数の例を並べると、年収の上がり方の目安も見えてきます。
年収の幅が「350万円〜600万円」のように広い場合は
経験や評価によって幅がある、という意味です。第二新卒の場合は、幅の下のほうから始まることが多いと考えておくと安心です。自分がどのあたりになりそうかを、面談や面接で確かめてください。
残業代が含まれている年収例は信用できませんか
信用できないわけではありませんが、残業の時間によって変わることを前提に読んでください。何時間の残業を前提にしているかを確かめると、実際の目安が分かります。
前の会社より年収が下がりそうです
1年目だけでなく、2年目以降の見通しや、働き方の変化も含めて考えてください。年収が下がる転職の考え方の記事も参考にしてください。
年収を聞くと印象が悪くなりませんか
丁寧に聞けば、問題になることは少ないです。年収の上がり方を聞く形にすると、前向きな印象になります。条件の確認は内定後に改めて行う、と考えておくと気持ちも楽になります。
手取りはどのくらいになりますか
年収から税金や社会保険料が引かれた金額が手取りになります。手取りは年収のおよそ何割、と一律には言えません。個別の金額は、条件によって違うため、ここでは一般的な整理にとどめます。
転職エージェントに年収の目安を聞いてもよいですか
聞いて構いません。担当者は、応募先の年収の決まり方や、過去に入社した人の例を知っていることが多いです。
10. まとめ:応募前にやる3つのこと
応募前にやる3つのこと
① 年収例が、誰の、どんな条件の年収かを読み取る
② 月給と賞与から、入社1年目と2年目以降の目安を出す
③ 年収の上がり方を、面談や面接で確かめる
※ ここでの整理は一般的なものです。実際の年収は会社や個人の評価によって違うため、応募先で確かめてください
年収例は、自分の今の年収ではなく、将来の見通しを考える手がかりです。条件を読み取り、自分の目安と分けて考えてください。
この先、読むべき記事
- 求人の探し方と求人票の読み方まとめ|第二新卒が応募前に迷ったら読む60記事(求人の探し方と読み方の全体像)
- 求人票の年収の読み方|第二新卒が6項目に分解して比較する手順(求人票の年収の見方)
- 求人票の賞与(ボーナス)の見方|第二新卒が「年2回・4か月分」を正しく読む方法(賞与の見方)
- 評価と昇給の仕組みを読む|求人票と面接で確かめる(評価制度の見方)
- 年収が下がる転職の判断基準|第二新卒が3年で戻せるかを見る(年収が下がる転職)
- 第二新卒の年収交渉|2ヶ月で2社内定時の交渉実額を全公開(年収交渉)
この記事を書いた人
木戸 悠介(きど ゆうすけ)/なぜキャリア?運営者。1996年生まれ、神戸市出身。
23歳で上場企業子会社に新卒入社し、メディア広告営業を担当。25歳で第二新卒として障がい福祉領域のSaaS企業へ転職し、営業から営業企画へ職種を変えた。2ヶ月で10社に応募し2社から内定。その後スタートアップに3人目の社員として参画し、現在は自分の会社を経営している。